第1315回 志ん朝師匠「そろばん節」を絶唱して中華三昧

 [5日朝餉]朝から何かに取り付かれたように、卵とネギだけで炒飯を作る。無性にお炒飯が食いたかったんだ。だが飯が少なく、もの足らぬ。ああ、口が完全に炒飯口、中華口になっている。朝は本意ない出発をするが、昼餉には何とか炒飯を食いたいものだと渇望する。
 [5日午前]日曜だ。ホテル回りして、効率悪く無駄に午後過ごすのもアホらしいので、スケジュール空いた阿君を捕獲し、ポスター張り替え祭りを提案。昼に何を食らうか、と阿君に水を向けたところ…(続く)
 [5日昼餉]彼は運転しながら前を凝視し一言「中華がええな」と言い放つ。中華は炒飯を含む。僕は今日の中華欲求を一言も話してない。僕からゴマ油の匂いがしたか。それは単なる加齢臭だ。おお、阿よ、阿よ。君は一を聞いて十を知る顔回のような聡き者である。お陰で半ちゃん定食をバシッと決める。
 [5日午後]街中を探し倒して張り替え倒す数十枚。士気を互いに下げず、親方の御意に召さんと踏ん張るが、やはり夕刻になれば、落ちる。だが我々は挫けぬ。取って置きの志ん朝師匠の「そろばん節」を二人で絶唱して、この難関を乗り切る「♪ちょっとそろばん貸してみな♪」てな具合に。
 [5日夕餉]フラフラになって帰還。退出。家に帰りて自宅晩飯はな、何と!中華丼だぁ。おお、今日のわが食事は中華民国大会ではないか!焼酎1合と共に完食。炬燵に入っても頭の中では志ん朝師が「そろばん節」を歌い続けていなさる。僕はパーカッション部だけをネタ繰る。こんなんいつ使うねん。

@chewbacca2「バカっていうのは自分がハダカになることだ。世の中の常識を無視して、純粋な自分だけのものの見方や生き方を押し通すことなんだよ。バカだからこそ語れる真実っていっぱいあるんだ。赤塚不二夫