第1203回 ジョゼッペ・マダガスカリアン・ビアパーティー

 二八(にっぱち)とはよくいったものである。恐ろしく本業は暇である。
 だからずっとジョゼッペばかりしている。本業に反してジョゼッペは八月、繁忙期である。毎年恒例のビアパーティーが各区三地区で一週ごとに計三回シリーズである。他にも膨大量の初盆参りなどがある。
 マダガスカル地区ビアパーティーはこの日であった。心理学専攻ブラピ=ハナカミアン(注)とエリアを駆け巡り、ご来籠頂いた数約半千。感謝。
 
 (注)ABちゃんのことだ。楽屋ウケだ。
 
 会場をブラピとかけあいでまわるは楽し。スムーズかつシームレスな継承がねらいだ。ビアパーティーをもってマダガスカルをブラピ王国としてさし上げることが、道を直くする人のために整え待っていた老兵たる僕の使命である。
 
 さて話は変わる。警備員の頃、毎晩立っていると、必ず同じ時間に現場の前を通る人がいた。カラオケ屋のサンドイッチマン、空き缶集めのラスタマン、服屋の売り子、仕事上がりのサラリーマン、安酒場の女給などなど。
 何かのきっかけで軽く会釈すると、日に日に親密となり、手前の辻から手を挙げて挨拶してきたり、軽口をたたき合う仲になったりする。タクシーの運転手さんから厚情を賜った話なども本誌報に掲載してきたはずだ。
 現在、ジョゼッペ事務所の隣は、巨大なマンション建設工事の真っ最中だ。マンション建設工事のプロジェクトをマネジメントし、また建設工事の現場警備員を経験してきた身からすると、今度はマンション現場の近隣ビルの就労者の役割も面白い経験である。
 毎日のように、ブラピと二人、喫煙場所に指定されている外部避難階段の踊り場から現場を見渡すのだ。お、言い忘れていたが、ブラピは建築機械リースの会社から、スーパー銭湯のボイラーマンを経て、他の政治家に長年仕えて、縁あって今、ここジョゼッペにいるのだ。
 朝、出勤時、マンション現場の職人さんらが入場、朝礼を終えた頃に、僕は現場ゲートの前を通る。そこは50代後半とおぼしき警備員さんが出入管理をしていらっしゃる。
 町会の祭のときに世話になった。それから毎日挨拶を交わしている。8時40分くらいにはまっていらっしゃる。気さくなおじさんだ。仕事あがりに、隣の青空食堂(立飲み)にお誘いして、お互いに街に立ってみえたものの情報交換をしてみたい。きっと凄いことを言ってくれそうな気がする。