第1202回 豊能町ときわ台・東ときわ台夏祭り、盆おろり大会MC

 通算18回目だかの歴史ある盆おろり大会の過去2年を担当している。3回目だ。
 地元のご出演の皆さんとの息も、年1回という七夕状態のご面談ながら、割とうまく合い、楽しく過ごす。
 次々、自治会長さんからもたらされるビールは、6本までに留め冷静に進行する。最後の抽選会が終わり、ホッとして4本を頂き、計10本で終了。ほとんどは汗に流れ、ちっとも酔えなかった。
 今年は盆おろり大会の輪が例年より沢山の皆さんによって作られ、実に賑わいを見せたように思う。盆おろり大会の賑わいは、着物姿の婦人部の皆さんのおろりもさることながら、一般民間人、平服での輪への参加が必須である。今年のご当地での盆おろりの輪は、老若男女が遅くまで沢山おろられ、まるでかつて郷里で見た榛原駅前の盆おろり大会を彷彿とさせる懐かしい盆おろり大会でのおろりの輪的なおろりと感じた。
 やはり、盆おろり大会はああでなくっちゃ盆おろりぽくない。今年はMCじゃないが、住之江区でのある盆おろり大会にお手伝いに行く予定もある。盆おろり大会が楽しみだ。
 
 まあ、盆おろり、と何度も書きたかっただけなんだけどな。
 
 はねて、帰ろうとすると時間がない。終電が出てしまった。梅田や京橋なら東加賀屋まで歩いてよいが、豊能町から歩いたのでは、1957年の陸自デスマーチ事件ばりの行軍となる。
 仕方ないので、阪急で豊中服部駅まで進軍し、会長に架電。会長、甲子園において野球観戦の帰りに十三にてご夫婦で痛飲との由。帰服を待つ間、とある焼鳥屋による(この店の名誉のために名は伏せる)。
 入り、品書きを見る。一品が目を引いた。「生ぎも造り」とある。やはりこの時節、生は避けるべきであろうか。最近、病原大腸菌などの痛ましい事故などもあり、行政機関などからは注意喚起を促す警告なども耳にする。
 しかし、お品書きには書いてある。「生ぎも造り」と。僕は思い至る。ちょっと待て、と。考える。この時期にこれを明記してあるのは、この店の自信の顕れではないのか。普通ならメニューにビニルテープなんぞを貼ってでも見えなくして、もしオーダーがあったら、「あ、今、鶏でも生ぎも造りは危ないんでぇ…」などと断るはずだ。それをオープンにして書いてある。そうだ、これは自信だ、自信の顕れにちがいない。
 メニューの行間から店長の自信と心意気を読み取った僕は、独り、したり顔をして女給さんを呼ぶ。そして厳かに指をメニューにおったて言った。
 「生ぎも造り、芋ロックと」
 女給さんがはっと僕を見る。それが僕には女給さんの喜びに見える。店長さんのこだわりを理解してくれた「わかる」客の到来を喜ぶ表情に見える。やっぱりだ、店長はこの鶏生ぎも造りに自信があるのだ。こだわりの、取っておきの逸品なのだ。
 行政庁からの御達示なのか、彼女は全く感情を入れず、言わされれいる感満載の気い謂いでこう付け足した。
 「お腹の弱い方にはオススメしておりませんが、よろしいですか?」
 来た!忍者の合言葉、寺方の符丁、フリーメイソンのペンダントだ。僕が本当に店長さんの心意気を理解しているかどうかを試しているんだ!きっと数量限定なんだ。だれにでも食わせるんじゃない。これを難無く通過しないといけない。
 僕は、言った。
 「大丈夫、いつも軟便です」
 
 食べた。
 
 翌日ビチビチになった。各位、気をつけられよ。