第1195回 台風による余波

 マーゴン(6)がやって来た。彼女のせいで娘らは休校。二人で朝の警報発令をテレビで確認し「万歳」を叫んでいる。何がそんなに嬉しいのだ。小学校など毎日が休みみたいなものではないか。父は昨夜、夜なべして眠いのだ。時間一杯寝かせてくれろ。
 マーゴン(6)の進路は実に不思議であった。徳島にはご用があったが、紀伊半島には絶対寄ったらいかんとの厳命を守っているかのようであった。それも実にノロイ。あたかも幼女マーゴン(6)が自転車でキコキコ走っている様が目に浮かぶ。マーゴン可愛いよ、可愛いよマーゴン。
 お陰で僕も西成区社協の北津守が中止になった。天からの助けだ。スライドを作る時間が足りなかったが、これでうまく行く。いつも首の皮一枚の状況は変わりがない。最近はこれを楽しんでいる。常に背水の陣だ。すごい緊張感である。マクドで100円ダイエットコークだけで電気使いまくり。あらかたでけた。
 この日はジョゼ午前勤務であったから本当なら帰るんだが、ジョゼ事務所の座談会があったので、若衆らと準備して向かう。
 会場準備のときに慌てたことがあった。親方の福島視察の写真をもとに原発問題を議論するんだが、その写真をプロジェクターで投射するのに、事務所の古いノートパソコンではメモリが小さくスタックしてしまう。仕方がないので、僕が事務所を中抜けして全勢力を注ぎ込んで対話していたわが愛機・アンドロイド美智子18世(Panasonic LetsNote)を出動させることに相なった。
 彼女の雄ジャックにプロジェクターからくるD-Sub15ピンの両雌コードを繋ぐ。すると、ゲッ!画面が赤い。RGB信号のどれかが、どこかで断線していると思われる。コードの問題ならよい。万一、アンドロイド美智子18世の本機側雌ジャックの問題であれば、これは事だ。
 明日は僕の大事な講演がある。60名相手にアンドロイド美智子18世と二人三脚の協同作業なのだ。僕は顔色が変わっていたと思う。バックアップで持って行っていた(持って行くことをインスピレートしてくれた見えざるに感謝)旧型低能パソコンで試験する。が、こちらは遅いが綺麗に映る。
 ヤバイ。明日が、明日が。今日のはとりあえず、コードをひん曲げて美智子にインサートして凌ぐ。時折、色調が代わるが、一般民間人には無問題のようだ。
 だが、心臓は明日の講演を想像してバクバク言ってる。僕は、アンドロイド美智子18世がいないと、明日は90分を駆け抜けることができない。事前通告でプロジェクターと申告してしまった。フリーで90分もええんだが、折角プロジェクターをご用意頂くのにこっちのマシントラブルだなんて、ど偉い恥ずかしいことだ。
 台風の影響か?えらいことになったと頭抱えて帰る。