第1193回 関西大学校友会伊丹支部総会司会&アトラクション(伊丹シティーホテル)

 豊能姉ご差配。総会の進行をして、その後の舞台は酒席に突入だから枕2本で行くか、などと企て赴く。
 伊丹の駅からほど近いところにある、いいホテルだ。前に伊丹の自動車関係業界の総会で司会させてもらったことがある。同じ会場、同じキャプテンだ。再会を喜ぶ。
 玄関口の「本日のご宴会」ボードを総覧して、ジョゼッペ親方気分に浸る。見ていると、「●田泉州銀行関西ブロック大会」などという看板が目に入る。「?」。胸騒ぐ。きっと今日は何かある。
 支部長、支部役員の皆さんなどに仁義切る。関大応援団の第44代の田中団長(校友会副会長)とお話していると、ジョゼッペ事務所の非常勤「M崎先輩」の名が飛び出す。
 なぜここで、そう、正に表現舎が壇上に上がらんとチャージしているこのときに、ジョゼ非常勤「M崎先輩」、あなたが当たり前に現れるんだ。なぜ半透明で僕の前に立ち微笑んでいるか?眼前の時空がゆがんで見えて、僕は貧血で倒れそうな人みたいになる。ワームホールをいくつもくぐりぬけたが如く、僕は自分がどこにいるのかわからない。Google Earthで伊丹からグワンと飛び上がり、M崎先輩の自宅へスコープが移動するときの乗り物酔いに似たあの感覚も同時に味わう。もはや合一ではなく、逃げられないのかも知れぬ。
 仁義を切って着替えに行こうと廊下を歩く。隣の宴会場の「●田泉州銀行関西ブロック大会」も出席者が集まってきているようだ。僕は目を凝らし必ずいるであろう「彼女」を探す。大姉に僕は言った、「必ず『彼女』は来ます」と。
 十数歩を歩いたところで僕は「彼女」を発見した。
 「ゲ!乱坊ちゃん、なんでここにいるのよ」
 「仕事や。よし、今日、家に泊まりに行くぞ」
 「私、この後、予定あるねん」
 「そうか、けど、はよ帰らなあかんで」
 「ってか、あんただれやねん」
 「ガハハハハ、まあ、ワシも今日あかんねんけどな」
 「びっくりしたわ」
 「ほななー」
 
 落語大学OB会喜六会笑鬼会長のご令嬢、ユリーペお嬢様だ。返す刀で会長に報告。
 
 「なんで会うねん!どないなったあんねん」
 「今日は、ね…」
 「あかんどー、今日は来るなよー」
 「それがね、残念なことに行けませんねん」
 「そうか、ホッとしたわ」
 
 強がってそう言っておられるのがひしひしと伝わってくる。待っていて下さい。笑鬼さんに寂しい夜は過ごさせませんから…。そう天上の星をにらんで誓う僕であった。
 
 本番は、皆さんのご協力をもって楽しい会に仕上がった。即興の出席者全員自己紹介コーナーは会の趣旨からお喜び頂いたようだ。時間があまりない。ドーンと盛り上がった酒席で、せっかく準備された高座を使わぬわけにはいかぬ。「歯の相談臨時特別議会」一本で拍手賛同をもって終了。
 
 御業の連続だ。帰り、様々な人々の連たんを通じて示される励ましを感謝する。
 表現舎は、主客が一体であることを「思い出す」(茂八)という新たな実証のステップに突入した。主客はそもそもが主主かつ客客であって、元より一体であるという視点。あなたとわたしの間に境があって対峙しているという概念を捨てよう。「主客を一体と為す」のでなくて、「主客は一体なり」と訓じるのだ。これは激烈な視野の大転換である。
 僕はそれを思い出すに過ぎないのだ。忘れているにほかならぬ。元来一体なものであるときちんと認識できれば、世界に怖いものなど何もない。