第1189回 担当外地区ジョゼッペ後援会総会(センターとホール2会場)

 表題を読むと何のことだかよくわからないと思うが、何のことだかよくわからないように書いているので、筆者の思い通りである。ご寛容を頂きたい。
 僕の担当地域は6/19に終わった。この日7/10はモーリタニア・フレンチご筆頭の担当地区で、後援会総会シリーズの千秋楽的の位置づけだ。事務所を挙げて行う寄席当日の色彩であり、前日の立て込みからテンション上げて皆で取り組んだ。
 後援会総会には、伝統的に第一部総会と、第二部余興のコーナーがある。九州男児Tの担当地区はおシャレにジャズバンドで決めよったが、僕とご筆頭の両地区は、落語を提案した。出てほしい人たちが居たからだ。僕の地区は桂三金君が、ご筆頭の地区には桂三歩兄のご出演をお願いした。
 この日は会場を代えての2ステージである。三歩兄は、窓口となってくれた三金君のことを配慮し、ジョゼッペの後援者らにもお楽しみ頂こうと、落語1題の予定のところを、この日急遽、三金君も出演依頼され、2会場それぞれ30分の舞台で演者2名、ということにしてくださった。
 ところが、三金君はお後の2会場目が他の仕事と被っている。よって三歩兄は2会場目の他の共演者を工面するはめに陥られた。
 そこでご登場されたのが、かの、桂三象師である。かくて、2会場の余興のコーナーは、桂三枝師(改名前)一門の関大落語大学大会となったのである。
 前出の演者はおねおねと小噺で。メインの三歩兄は早口言葉の枕と「てんしき」を見せて下さった。女性の多い会場で皆さんプロの手堅いところを見せて頂き大いに沸かしていらっしゃった。みなが喜んでくれた。
 殊に僕は、三象さんの舞台を調整室で音量調節しながら聞いていて、いろんなことを思い出して何度か吹いた。
 三象さん、楽屋での尋常じゃないくらいの、ものすごい真摯な打ち合わせは、まるでこれから繊細なガラス細工を現地作成する職人の姿勢であった。でもその打ち合わせをしているとき、彼は汗をダラダラ流しながら、ジュバン姿で眉に墨を入れてなさるのだ。僧侶が女郎化粧をしているようにしか見えぬ。僕は腹筋が細かく痙攣し、その振動で背骨が粉砕するのを感じた。
 2会場目の舞台が終わり、お二人にお礼を申し上げると、荷物をコロコロ引いて、夕暮れの街に消えて行かれた。打ち上げに行かれるのだろう。
 僕は、激しく憧れる。あの自由を求めて僕も真似事ながら今ここにいる。三歩兄からは心温まるお言葉を数々頂いた。頑張れよと。
 片付け、打ち上げ。親方を始め、事務所の仲間とともに汲み交わす酒は、実に朗らか、愛と喜びに満ち、生きている実感とともに味わう。
 帰って翌日の準備などをなす。