第1182回 東住吉区社協いきいき教室(桑津会館)

 6/23の条である。今日から。20名。皆さんで楽しんだ。
 帰り、事務室覗くと、連合町会長さんがいて
 「高野くん、浴衣着て、何してんねん」
 説明した。少しづつばれていってる。こまったことだ。
 
 しかし、暑い日が続く。舞台は別にして、昼勤ではクールビズなんて制度はない。だいたいネクタイを絞めずに労働するという概念がない。お葬儀によく行くんだ。弔意を示すのは黒タイしかない。クールビズなどあり得ないのだ。
 家から通勤の歩きで既に汗の一升ほどかく。昼勤ジョゼの事務所は、親方が思想家であるから、現下、東北被災地に思いを致し、国家一丸となって節電に協力するべく、基本、事務所内クーラー禁止である。サウナのごとく猛烈に熱い。みんな熱中症との戦いで、団扇でバタバタし、あたかも昭和30年代のホワイトカラーな職場と化している。
 ハンカチなんかではおっつかない。手ぬぐいを乱用する。手ぬぐいは、この汗という、恒温動物としての冷却システムでほとばしる冷媒を、実によく吸いとってくれる優れ物なのである。
 僕は、これまで自身を、単なる「有機物を消化して排せつする管」、「アルコールを小便に分解するフィルター」であると定義していたが、この事務所で勤務して、自分は「手ぬぐい濡らし機」であり、「ウエット手ぬぐい製造機」である、という新たなスペックに気がついた。(汗で)濡らした手ぬぐいを後頭首筋に当てると、それだけで立派な熱中症対策グッズになる。
 職業柄、手ぬぐいはネクタイより本数を持っている。事務所で事務するときなど、豆絞りを首に巻いたり、姉さん被りにしてみたり(勿論、片方の端はくわえている)、また小粋にねじりハチマキにしたりして、パソコンの鍵盤を打ち、電話をかけたりしている。事務所の姉さん方からは、「事務所一豆絞りが似合う男」とか、「手ぬぐい秘書」などと言われている。「ジーパン刑事」とか「やまさん」とか呼ばれるより名誉なこったろう。
 確かに、スーツという西洋文明と、豆絞りの手ぬぐいという日本文化を、かかる震災後の節電を期にオリエント文明よろしく融合させ、世界のビジネスシーンへと提案したファッションリーダーとしての僕の果たした役割は大きい。『ヴォーグ』誌などに僕の特集が組まれても全くおかしくはない。豪奢な舶来製のスーツに豆絞りのねじりハチマキ姿で世界の社交界に躍り出る日を、今か今かと、ねじりハチマキして待っている。