第1161回 あなた、晩ご飯はユッケよ

 幼い子がユッケを食ってお亡くなりになられたそうだ。ご高齢の方も被害を受けられたという。衷心よりご冥福をお祈りする。
 O-111という病原性大腸菌らしい。O-157の記憶を元にすれば、この大腸菌が死ぬときにベロ毒素か何かをまき散らして死に至るのではなかったか。この毒素が脳に入ればその機能を損なうなどとも聞いたような気がする。
 二年ほど前、府の食の安心・安全フォーラムで聞いた記憶が甦る。曰く、日本には、ほぼ、生で食することのできる肉は流通していないので、「生レバー」などは本来あり得ない食べ物です、と。
 でも生レバーは、角屋へ行くと必ず頼んでしまう一品であった。塩ごま油に浸して舌で感触を楽しむ。そして口中の油気を焼酎で洗浄する。何だか精が付くような気がするではないか、滋養に良さ気ではないか。
 しかし、あの手の生食いは現行法制下では違法でないようなのだが、ま、いわば命を懸けたスリル満点の食べ方だったんだな。気を付けよう。僕と飲む人は、僕が生系を頼もうとしていたら、注意喚起して下さい。お願いします。
 また、子供がユッケを食うというのも理解しがたい。焼き肉は大人の贅沢だ。たんぱく質を直火で焼くんだ。子供が食うには100万年早い。まして生肉など数千万年のオーダーで早すぎる。よってウチの娘らは死ぬことはないであろう。
 僕などは兄弟が多いので、実家で焼き肉したときは、ほとんど少しあぶった肉を生で食べていたものだ。翌日によく腹を下したが、あれは焼酎の飲みすぎだと思っていた。違うかったのかもしれない。
 長いこと食っていない。ああ、焼き肉が食いたい。ホルモンがいい。
 
 早く、ヒラギタニよ、帰って来い、本邦へ!