第1138回 献血に行ってみた

 区役所・公官署の国旗が半旗になっている。弔意を示している。
 
 同僚のT君やS君に言った。
 「おい、俺たち、廃材の一本も運べないのなら、せめて献血にでも行こうぢゃないか!」
 手早く昼飯を済ます。はりこんで豚ステーキを食った。被災者が輸血したとたんコラーゲンで満たされるようにと願っての選択だった。
 阿倍野献血センターに入って驚いた。ごった返している。皆考えることは一緒なのだ。係の人に聞くと、1、2時間待ちだという。前日で140人の献血を受けたと彼女は言った。
 こんなに献血センターが込み合うことはないのだろう。皆が今、自分にできることを探している。被災にあえぐ同胞を救おうという民族精神がほとばしっている。
 血液はナマモノだ。消費期限があるらしい。
 「一っ時に来られるより、時期をずらして来られるほうが嬉しいです!」
 担当女史よ、あなたが嬉しいのなら僕は喜んでずらそう。きっと、必ず、僕は帰ってくるからね。そして、あなたに抜いてもらおう、男なら400mlをビシッと1本決めてやる。まってえよ。