第1113回 落語愛好者パートタイマー

 かつて寺島立飲部で飲んでいたとき、来舞兄は言った。「どうせ謝るなら土下座するつもりで行け」と。中途半端な表現をするくらいなら謝らん方がいい。まったく意義深い言葉である。
 パートタイマーには過分の職務を担わせてもらっている。まあ、浅学非才で経験がないから、失敗や不慣れ不行届きも多いのだが、与えられた恩返しの機会である。1センチの働きができればそれでいい。
 
 土曜日夕刻からの茂八君の厄開け祝いの宴は、会議があるとのことで欠席をやむなくしていた。その会議が中止になったが、行けないと返事していたので、雑事忙殺、宴があるのを忘れていた。
 なんかもう夕方にはゲッソリ疲れて、酒が飲みたくなった。おじきに電話すると盛り上がっている。
 思い出した。茂君宴だ。行こう。大いに行こう!世界の名だたるアホの諸先達たちが集う空間で、最近失いつつあるアホの鋭気を養おう。俺は何、普通の顔して生きとんじゃ!自分を誰だか忘れたか!貴様はかつての人生を捨て、生まれ変わった表現舎、表現舎乱坊ではないか!アホを絵に描いた、アホが服着てアホの王道を歩む者であることを思い出せ!
 事務所に帰ると、また行けなくなった。残念だ。
 
 「富」の指しネタを請けた。2週間後くらいか。「打飼い盗人」の指しネタも請けた。1ヶ月後か。時間がない。
 ニッパチとはよく言ったもので暇な月だ。昼勤ばかりしている。一日90分で暮らしたいのに、5400分くらい気を張ると夕方にはリセットの深酒を飲まなくてはならぬ。こんなことをしていると、単なる落語愛好者のオッサンになってしまう。