第1096回 池田サカエマチ1番街 笑店寄席 司会

 胃が痛い。猛烈に胃が痛かった。舞台中、この世の終わりのようだった。年末年始以来の無茶飲みがたたっていた。これでは飲めぬ。もう酒の顔を見るのも嫌だった。
 小石先生からローマの軍人皇帝みたいな名前の胃酸を抑える薬(セルベリウスとか、サルバキウスみたいな名前のん)を1錠もらい、グビリと飲んだ。平素、薬はQPコーワゴールドしか飲んだことのない僕は、実に薬に初ぶだ。「辺り一面の障子開け放したような心地する」とは太鼓腹の若旦さんの云いであるが、まったく以てあの感じで瞬間にケロリと治った。
 打ち上げ前の時間待ちのやん愚兄、かぼす君、一福君、円九君の前で私は言った。
 「乾杯だ。大いに飲もう」と。
 
 この日、やん愚兄は風邪でえらいことになっておられた。代演級の悶絶でいらっしゃったが、這ってお出になる。
 
 舞台では、やん愚兄、茂八君、粋花師の舞台を紹介したが、僕はまだ薬を飲む前だったので、ほとんど舞台の袖で気を失っていた。何も覚えてない。
 
 打ち上げはそこそこに帰る。