第1080回 桂文枝師との忘年会出席

 西梅田の会を終え、会社の方々と少しく打ち上げる。その打ち上げに第二回演者の不良雲君も仕事帰りに駆け付けてくれ乾杯する。
 どうやら僕と芸夢君は誕生日が5月27日で同じ日だ。彼は「オナタン、オナタン」と連呼する。同じ誕生日のことをいうらしい。
 ということは、奴はふたご座か。人生初に出会ったオナタンなふたご座との会合は、ふたご座流星群のピークの夜であった。記憶しやすい。が、別にロマンチックでもなんでもないんだから記憶しておく必要もないだろう。
 
 僕は当該寄席主催の会社の方々に理を申し上げ途中退席した。行かなくちゃならないところがある。この夜は(もともと翌晩の予定であったのだが)急遽変更の連絡があり、玉出に千太師、酔花師、笑鬼小父貴、来舞兄、茂八君らがご来駕され、わが心のサンクチュアリ玉出寺島酒店でお立ち飲みされ、しかる後に文枝師がこよなく愛した名店「ピエロ」にてマスターから往時の師匠の思い出などを伺うという聖なる一夜であった。
 現地調達のネイティヴ・ツアーガイドとして、玉出寺島は何とか間に合いたかった。あそこは僕の御用達であり、効率よく酔うための立飲みベテラン特有の注文順序があるのだ。一杯目をビールで乾杯の愚は避けねばならぬ、芋ロックから決め、アテ一品で立て続けに三杯を重ねる。これで先ずは必要な酩酊帯域に突入することが肝要だ。ビールから行くと小用にばかり行かねばならぬのだ。
 僕は走った。全神経をペダルを漕ぐ足に集中し、26号線を疾走南下した。西梅田から本町、心斎橋、難波。鼻水や涙が地上と平行に頬をつたう。拭いてる暇はない。大国町をスッ飛ばし、花園町を越えるころには手がかじかみしびれてきた。寒いということも忘れて漕いでいたのだ。
 人生最速である。29分で岸里を通過。玉出寺島に着いたら閉まっていた。ほんじゃあ既にピエロの場か!向かう。
 ピエロでは既に皆が文枝師の「天神山」を見終わり、次の「三十石」に酔っていた。もちろん泥のように酔いさらばえる一歩手前だった。
 昨年もここで望年会を催した。その詳細は以下の記述に詳しい。
 
 2009-12-15付「第887回 文枝師匠との神秘的な一夜」
 
 その後、来舞兄、茂八君とたまゆラーメンに。ニンニクラーメン。近所で飲むのは心地良い。