第1078回 萩ノ茶屋サポーティブハウス陽だまり クリスマス会 講演

 火曜。ダブルヘッダーである。
 導きを感じる。萩ノ茶屋連合町会の敬老会に以前呼ばれた。そこで終演時、見ていて下さった「陽だまり」の宮路女史という上品なおばさまにクリスマス会にお招きを頂いた。
 サポーティブハウスの意味を知らずに来た。説明を受けた。あいりん地区のおっちゃんたちの日常生活支援や就労のための生活の本拠を提供する、地域と支援者らの麗しき共同であった。
 お客さんはおっちゃんばかりだと説明を受けた。アル中から更正しようと頑張っていたり、高齢の方も多いと聞いた。
 一瞬、不安がよぎる。落語はむつかしいだろうと思われた。いかなお客様の前であっても、乱坊は乱坊でしかない。乱坊以上でなく、乱坊以下でもない。僕は僕を表現するだけだ。おっちゃんたちと短い時間で何事かをわかりあえればそれでいい。
 宮路女史は僕に一生懸命おっちゃんたちの生活や暮らし、状況などを説明してくれた。実に真剣な面持ちであった。
 しかし彼女は、その真剣な面持ちとは別に、クリスマス会に備えカラーリングされたアフロヘアのかつらにハデハデしいマントを着て、頭のうえにチョウチョが針金で刺さって飛び回っていた。僕は茶を噴き出しそうになった。ドリフだ。
 実際、あの装束がなければ、僕は感銘を受けて泣いていたかも知れぬ。この方は確実に僕より経済ではない「何か」に向けて歩む聖者である。光り輝いている。
 16時19分請負開始、同51分お返し。ほぼスジャータ
 おっちゃんたちは、楽しんでくれたと思う。みんなで嬉々として時間を駆け抜けた。
 僕は汗だくになった。着替え、また次のところに紹介すると心温まるお言葉を賜り帰る。
 貴方、そう至高者よ。あなたは僕に何を見せようとしているのか。今日のダブルヘッダーは、アップダウンがきつすぎる。