第1038回 アルパでありオメガ

 堺アルパの3シーズン目が始まった。新たなる兄弟姉妹と出会い、夕食をともにして語る。今回のわがチームのリーダーゆうこ嬢は感じ的にはウチのかぼす嬢からババ臭さを抜き取り、もっと優しく、上品で聡明にした感じ(注1)である。
※(注1)いつも人物の寸評を落語大学部員基準で行おうとするところに無理がある。完成した寸評の描写はもはやその基準とした部員とは完全にかけ離れたものとなる。上記の例で言うならば、「ババ臭さを抜き取り、もっと優しく、上品で聡明にした」かぼす嬢は、もはやかぼす嬢ではない。以前にまつ梨の担任の先生をウチのさらだ嬢をたとえとして説明しようと試みたが、その際も失敗したことを懸命なる読者のご記憶に新しいところであろう。
 
 様々なことを語り、ゆうこ嬢が締めの言葉を吐いたとき、ジャストスジャータ(注2)と相成った。見事である。何が見事かと言うと、彼女の背面に掛け時計があったのであり、彼女は時計を見ていない。プロかと思った。
※(注2)浜村淳先生が長寿ラジオ番組の「ありがとう!浜村淳です」でみせる荒業。午前9時の時報へと導入するジングルが10秒で、そのジングル開始までにすべての話を違和感なく終わることをいい、転じて、乱坊方言で指定終了時刻まで10秒を残して発言が終了することを「ジャストスジャータ」と称えるようになった。ジングルの提供がスジャータ社製のコーヒーミルクフレッシュポーションパックの宣伝「♪スジャータスジャータ、白く広がるスジャータ♪『スジャータが9時をお知らせします』(ポーン)」であったことからそう呼ばれる。
 
 帰りは新記録を樹立した。泉が丘駅若松台辺りから自宅まで転法輪号(注3)で1時間15分で到着する。最短記録である。道を迷わず足を地に着けず帰宅したことが勝因か。記録する。
※(注3)教義を人に伝えることを「法輪を転ずる」として「転法輪」と漢訳し、仏がサルナートで初めて弟子に四諦八正道を説いたことを以て「初転法輪」と称すると聞く。足を互い違いに漕いで、汗を流して銀輪を回し前進する遅々とした歩みは、原始仏典において「ただ牛のように(修行の道を)歩め」と説かれたお言葉と重なり、仏が後代の求道者に遺された道への憧れを記念して、わが自転車を「転法輪号」と呼んでいる。
 
本文より注釈の方が多い。普通、しゃべるとこうなるよな。