第1037回 西成区社協いきいき元気教室 岸里地区 出演

 火曜日。30名90分。二周目の西成だが、ここ岸里は初回。乱坊のお食事日記、蛇含草。
 拙くはあるが、僕にとっての大事業たるいきいきの出発地、乱坊再生の地元西成だけあって、さすがにお客様・ネットワーク推進委員の皆さんらはご自分から率先し楽しみ、あるいは僕をして励ましめ、互いが同じ気を吸うた成果として笑い、共に階段を一段上がるのは嬉しい。高き座から眺めれば、お一人お一人が点ではなく、席列並びの二次元面を超え、ともに立体空間に「在る」ことがわかる。本当に楽しかった。
 こんなことは、聴衆が特別な人たちや、特別な空間だからできる、という性質のものではない。当日、発する己の気が、座の高低を超え一体となり時空を共有したいと願う強烈なヴィジョンとその希求が自分にないと、いかにすばらしい環境でもズタぼろになる。実によくなる。
 自分に言う。当たり前ではあるが、お客様や会場のせいではない。服部阪急商店街の落語道場のようなグループサウンズの轟音の横であっても、たとえお二人(最小催行記録)しか居ない雨の日の公民館であっても、人生の貴重なお時間を借り受けるに、たった一人でもその会場に「(巧拙でなく)聴衆は貴方の話を待っている(こゆき 1966〜)」と信じ、かつ不自由な口と隔てる(大気という意味での)空気という途方もない阻害物を超えて、お客様の想像力を補助し互いの脳をつなぐプラグ直結は可能であると信じる。これが希求するヴィジョンであって、少しのことでこれがなえるとダッチロールし、何度プルアップしても失速し山肌に激突する。
 テクニックなどなく、僕を導く先達らのようにはうまくできない日がほとんどなんだけど、この日のように終わったあと、お客様に「皆さん!愛しています!」と叫んでしまう日が、一年に一度あればいい、と思ってやっている。
 今度、この陣中日誌の熱心読者の皆さんとお出会いする日がそんな日であればいいと思う。確率は、商店街のガラポン抽選会で特等のハイヴィジョン液晶テレビの金の玉が出るレベルと考えていただければいい。
 大概の日は、4等のティッシュペーパー3箱か、その下の末等の商店街お買い物商品券500円、である。空クジなしで行きたい。
 
 宇陀郡民時代の癖が抜けぬ。集合時刻の90分前に自宅を出ないと罪悪感にさいなまれ、遅れるんではないかとあわててしまうのだ。ちなみに、集合時刻は開演の1時間前である。
 大阪市に住んでいるのだから、余裕ありすぎなんだが、仕方ない性癖だ。
 後で気づいたが、岸里村は加賀屋村と近すぎた。輪行6分で着く。あとに膨大な時間が余り、自転車で周囲の街区を縦横無尽にカラ乗りして独り言を言い倒す。職務質問をいつ受けてもおかしくない。
 今後は1時間前まで家で出発を我慢することにする。以上、記録する。