第999回 大阪府津波高潮ステーション協議

 水曜日。以前、すぅだんさんからお勧めを受けた「大阪府津波高潮ステーション」から落語会の引き合いを頂いたことは既に記したところである。早速打ち合わせに行ってきた。
 時間が早く着いたので、ちょっと見学しておこうと館内に入る。入場は無料である。クーラーが心地良い。自転車乗りには何よりの応接である。
 一般民間人を装って館内に侵入したが、係の方がお一人ついてくれて、丁寧にご説明してくださる。高潮が来た時、どのくらいの高さまで水没するかを模型で示す。また室戸、ジェーン、第二室戸の各台風で大阪市内がどのような被害に遭うたかを二次元と動画で見る。
 途中、落語者である旨を宣言してご担当者方と協議。9月5日、1周年記念会、笑鬼師と共演する。
 協議終了後にすべてのコーナーを見学させていただく。大阪市内の水門と堤防の防水扉の模型、江戸時代の地震による津波の記録や石碑、とりわけ津波が来た時の被害の想定を詳しく描いた映画などは振動や音響が迫力あってビックリした。
 自転車に乗っていて、堤防沿いの防水扉は気になっていた。仕組みや管理者、操作担当者、開閉のシステムなどを仔細に見ることが出来て、懸案の疑問が解けてすっとした。
 自分の家が高潮で浸水するかどうかをマップで、またパソコンで確認する装置や地図があった。わが家の位置は50センチの浸水をするとのことだが、30センチの水位で足を取られるというから注意が必要だ。非難場所は向かいの小学校だから地震発生から津波到来までの間に遅滞なく避難せねばならない。
 従来は堤防の高さを増して対応してこられたと聞く。数年から数十年のターンで発生する東南海地震に備え、すべての堤防を揚げて対応するとなると、現況架かっている橋をすべて架け替えないといけない(堤防の上部に付け替えないと意味がない)ので不可能。水門や毛馬の排水装置(毎秒25メートルプール1杯を大川に排水する能力をもつ)などの備えとともに、住民自助共助の精神を喚起するべく係る施設の意義は高い。
 僕は先の震災では、ガスの詮を閉めるのだけで精一杯だった。元奈良県民には津波高潮のイメージすらない。来るべき重大事に冷静沈着な行動が出来るかイマイチ自身がない。
 大阪府下、とりわけ大阪市域海抜下地域に住まいする者は須らく津波高潮ステーションに赴き、自宅の想定被害状況と避難場所を確認すべきである。
 大阪城に、USJに、科学館に、動物園に、大仙公園に、交通科学館に飽きた親子諸君!津波高潮ステーションに急げ!
 と、ここまで書いていて、自宅玄関の防災袋に焼酎のワンカップを隠し入れていたのを思い出した。今夜はあれを頂くことにする。