第987回 伊賀中央公民館 講演

愛妾【あいしょう】(名)気に入りのめかけ。− 金澤庄三郎編『廣辭林新訂版』三省堂発行(昭和12年1月25日新訂第360版)より引用。

 月曜日。朝11時に会場入り。パワーポイントの設定を終えて昼食。天とじ丼。これが好きで良く食べる。衣と出汁のコンビネーションは、カステラと牛乳に匹敵する人類の生んだ偉業である。堪能する。
 開場13時。ワラワラとお客様がご参集される。雨上がりでお足元のお悪い中にも関わらず、御数80。100並べた客席は概ね一杯となる。
 僕は2回シリーズを担当している内の今回が1回だ。最近は、高橋メソドのパワーポイントを極力減らして、お話でつないでいる。自己紹介の2分で暖まられ、睡眠者0で前段講演の68分を駆け抜けたのは、御国の成就を願う拙に、御力をお貸与え、かつまたお客様のお心を開いて下さる御手の御配慮である。独りで寂しく舞台に立っているのではない。確信している。
 8分押しで着替えに行く。間3分。まあ前段が枕みたいなものだから後段の付録の落語は枕なし。昨日に続いて「まめだ」をかける。
 ようやくブロックが理解でき、構成のあるべきがやっと解る。まだ最期の右三郎に感情が入らない。全く蛍光灯なことである。昨日が4点とすれば、今日はダブルスコアの8点は行った、100点満点で。
 落ちを言って時計を見ると、15時まで15秒前。「ありがとうございました、また次回12月に!」を叫んで終了。ここでスジャータ時報がバシッと入る最高のタイミングだ。これは浜村淳先生に誉めて頂けるだろう、面識はないが。
 素晴らしいお客様方であった。大いに乗せられた。全てを放出(ハナテン)した。もうご馳走のしようがない。
 
 ぐったりと疲れ近鉄に乗る。伊賀神戸からは、スライドづくりの徹夜が祟り爆睡。鶴橋まで意識なし。
 帰りにハイボールを一本買って、3日連続の舞台であったので家族揃っての食事、家呑み。妻にはホンと久方ぶりのような気がして、愛妾宅に来たような違和感を覚える。
 
 この辞書引用の短文練習は、いつも無理やりその単語を入れるので、通常、文章がそこだけ少しおかしげなことになる。ロンパールームで子供が書いた落書きをカータンが一つの絵に仕上げるが如き、取って付けたような、変テコリンな文になることが多い。
 しかし、この日に僕が感じた違和感は本物である。だから今日の文章には無理がない。