第979回 日記をさぼってしまった

あいさがも【秋沙鴨】(名)【動】あきさがも。− 金澤庄三郎編『廣辭林新訂版』三省堂発行(昭和12年1月25日新訂第360版)より引用。
 
 わからない。このアイサガモで筆が進まなんだ。
 一日一題を『廣辭林』より引用して、徒然に短文練習している。ここ何日間かお休みしていたのは、この秋沙鴨で気が落ちていたのだ。仕方がない。『広辞苑』を引くと「あいさ【秋沙】(「あきさ」の転)カモ目カモ科アイサ属の鳥の総称。くちばしは細く、縁に鋸歯状の突起が並ぶ。遊泳・潜行が巧妙。カワアイサ・ウミアイサ・ミコアイサなどがある。アイサガモ」とある。解らん。まあ、鴨か。
 
 自動車免許の更新に行って来た。これまで奈良県民だったので奈良だったんだが、府民になって初めての更新だ。門真の免許センターに行った。
 京阪の駅から遠い。が、途中、宮本府議の選挙事務所跡などがあって懐かしい。
 午後から予定があったんで、午前に受けるべく8時には着いた。もうたくさん並んでいて驚く。
 証紙を購入。奈良では必ず聞かれた覚えがある。「交通安全協会費を御協力頂けますか?」
 僕は、免許を取った22の時、世間知らずだったので、唯々諾々と支払ったものだ。しかし以降の更新では一切協力したことがない。
 大阪でも「いいえ、協力しません」とはっきり・くっきり言わされるのか、めんどくさいなあ思ってた。ところが大阪では4500円程を取られたが、協力するの、せんのというあの例の問答がない。もう、あれは廃止されたのか。それなら良い。評価する。
 それともあの金額にぶち込みで含まれてるのか。ごっちゃ混ぜにして解らんようにして、いい鴨にされてるんじゃないか。まあ、以前は協会費込みで7000円程だったように記憶しているから、なくなったんだろうな。なんや解らんままに支払いを終える。
 
 僕は、平成19年に速度オーバーで軽微な違反を起こしているので2時間の講習を受けなければならなかった。
 これがまた酷い。同じ法定講習でも不動産業の法定講習の方がまだ聴衆を意識した、寝させないための工夫や取り組みが為されていた。
 自動車免許の更新は、演者のセリフが(繰り込まれ過ぎで)お歌を歌っているよう。演者も飽きてるんだろな。聴衆の反応を一切欲せず、明治演説口調だ。
 唯一、寝させぬための工夫は2箇所見つけた。
 「DVDの上映中に寝てしまう方がいらっしゃいますが、寝ていると、お隣の方から『こんな寝ている人に免許を渡さないでくれ』と私宛にメールを送って来られる方もいらっしゃいますから気をつけて下さい。ふふふ」
 何だこれは。笑うところか。はたまた脅しかえ。せめて個人のメールアドレスを晒してくれよ。全編の批評を送らせて頂くよ。
 もう一点あった。「講習中に居眠りが発見されますと、終了時に免許をスムーズにお渡しすることが出来ません」。これは完全に脅しだ。スムーズにお渡しできない、ということは、ネットリと渡すということか。ねちゃっぽく渡すということか。渡すも渡さんも貴方の裁量、胸先三寸、生殺与奪は思いのまま、に聞こえる。
 それならいっそ「道路交通法第XX条および同法施行令YY条、施行規則ZZ条により大阪府公安委員会は免許の更新を認めない。この処分に不服あるときは60日以内に国家公安委員長に申し立てよ、私は人生をかけてどんな相手でもする」とバッシっと言ってくれ。安協の一講師、個人の判断で、免許の授受を遅滞できるような権限を、免許更新業務をアウトソースされているに過ぎぬ安協に一任されたとは未だ聞かぬ。
 ともかく、受講者が寝るのは講師の技量の問題だ。受講者の理解は講師の熱意に比例する。小学校からこの真理を見てきただろ。脅さないでほしい。聞いていると権力を背景に努力なく二時間を渡ろうとしているように聞こえて寂しくなる。
 
 そもそも斯くの如き講習で、違反者の注意喚起を促し、運転技術の向上を図らしめようとするのは本末転倒だ。それどころか講習が、免許停止日数を軽減させる、あたかも温情あふるる措置のように言うのもおかしな話だ。道路交通法の法の精神は、交通弱者の保護であって、危険運転や度重なる違反者を交通社会から排除することが目的と思量する。それなら違反した時はビシッと縛に付かすのが本義で、免許も有無を言わさず召し上げで良いではないか。その処分に不服あるときはその手続きもあるはずだ。
 
 ちなみに僕は車で事故を起こす危険性がない。車がない。売った。いらん。自転車乗りだ。電車愛好者だ。人の車も運転することはない。目が疎い。免許なんて要らないんだが、身分証明のために持ってるだけだ。次回はゴールドカード確定だ。轢かれることはあるかも知れないが。
 
 久しぶりに聞いたが、何だか寂しい講演だった。