第929回 まつ梨入学

 次女・まつ梨が小学校に入学した。お向かいの加賀屋東小学校だ。
 不思議な感じがする。お姉の学校の時の違和感と異なり、何か、僕の少年時代に見た、慣れ親しんだものを感じる。
 一に、変に気取った輩が居ない、これがいい。同じマンションの奥様達がPTAで入学式のお手伝いなどをしてなさる。古くからの知り合いが沢山居るような感じ。先生たちも僕らが小学校時代に見た先生方の延長線上の方々のような気がする。なんかいい。儀式も手作りで、開演5分前に先生方が舞台上に花鉢を並べてくれていた。間隔が等間隔ではない。何かうれしくなった。
 二に、児童達が粗野なのがいい。あったりまえだ、小学生だ。二年のお兄さんお姉さんたちが歓迎のお歌のご披露をしてくださった。横っちょ向いて適当にピアニカ吹いてる子等が居る。あれは少年時代の僕だ。あれでいいんだ、子供は。お姉えの学校では在り得ない、それがまた気色悪いんだ(ここは括弧書きでいうべきところであろう)。
 三に、これが一番重要なのだが、僕の行ってた奈良県宇陀郡榛原町立榛原第一小学校(後の榛原小学校)の制服と、大阪市立加賀屋東小学校の制服は全く同じである(帽子の色が少し違うだけ)。これがいい。まつ梨のぶかぶかの制服を見て、小学校時代に好きだったあの子や、あの子、それにあの子のことなどを思い出した。→今や、みんな43歳のおばはんになっているんだが。
 四に、この小学校は、ウチのベランダからその全貌が見えるのだ。これがいい。これが実にいい。全てが見通せるのだ。
 かくて、皆さんにお世話になり、この大阪の水を産湯に使い大きくなった愚娘・まつ梨は小学校の第一学年と相成ったのである。