第916回 名人上手サルベージ

 朝、パスタ鹽胡椒マヨネーズバターを一盛。
 午前、自宅にて辯護士協議内容檢討。
 晝、冷凍燒きお握りを解凍し一個。
 午後、奈良市へ移動。辯護士訪問、諸事協議。概ね合意。
 退出後、奈良でコーヒーが飮みたくなり、浪漫亭璢畔(るぱん)兄をお呼び出し申し上げ、コーヒーカップで乾杯。溢れ出るアドレナリンの事などを語る。
 現状の來舞兄の健鬪、烏龍君の復歸、學亂兄の出演決定したる事などを報告す。
 また喜六會内に近年「璢畔兄復歸待望論」が渦卷ゐてをり、もう餘の力では抑え込むことが出來ない位にご出座を期待されてゐること、これ以上出馬のご意嚮がなければ「璢畔さんの藝惜しみ」といふ批判が飛び交ひさうな不穩な空氣が立ち込めてゐること、等の數々の問題點を誠しやかに報告した。
 「藝惜しみ」の所で、右の鼻の穴が少しく大きくなるのを餘は見逃さなかつた。
 
 「未だ脈あり!」
 
 在野の優れた才能を舞臺に引き揚げるための、名人上手サルベージストとしての餘の鬪ひは續く。
 さう、掻くのだ!ケツを!掻き續けよ!血出づるまで!