第801回 最終回謝辞

前綴において宇治兄(一八兄)から表題を五文字に納めるようご下命を受けて、はや八十有余回を数えた。
兄命は疎かには出けぬ。耐え忍びその命を全うしてきた。
が、いまいち五文字の題に飽いた。辞めたい。五文字などぶち投げてしまいたい。もっと沢山の字数で自由に表題を付けたいじゃないか!そだろ!
しかし、だ。しかし、である。突然、五文字お題を辞めれば、切っても切れぬ伏見の兄命に叛き、お言い付けを丸めくしゃくしゃにして水溜まりに投げ入れ、ゴム長の底でニョニョニョニョーとする印象すら与えかねない。これは避けたい。
辞めたい。でも叛けない。どうするか?そこで第三綴自体を大々的に終了することによりそちらに注目を集めて、次綴の開始時には五文字お題をうやむやにしてしまう、という戦略に出た。大人の判断、苦渋の選択だ。
学生諸君!これが社会である!大人である!これなら誰も傷がつかんぢゃろが!
いや、否むしろ、これが、このスマートな選択が「乱坊、これまでの五文字お題、ご苦労であったな」という出題者宇治兄としての精神の流れになるは必定。すると普通、宇治兄から「五文字お題の第三綴最終回を記念して一杯交わしたい」との労いがあるはずだ。自然だ。無理がない。
ここからはトントン拍子に進む。
「おお兄者、その一呑は何時に致しましょうや」
「弟よ、近日難波に赴くゆえ次の我が大阪渡りを待て」となる。
ここだ。実際はぶち投げているんだが、これが来月の難波での「すき焼き」と「ビール」に変わるということを考えにゃならんぞ。
よいか、これが酒運だ。酒運は自分で切り開くものである!
だがな、本来365回をワンセット1綴とする本日誌において、第三綴は84回と、まるで大正時代のような短さだ。
これを払拭するに通番表示の採用が事を荒げなくて良い。通番は自宅にて改めて数える。かくて平和裡に第4綴が今宵から始まるのである。
突然ながら一身上の都合により本綴「乱坊の陣中日誌兼戦闘詳報」は本日を以て第三綴を終了することとなった。本綴は範を、かの旧帝国海軍が機関、航海、砲雷等の各部門の長、艦や艦隊単位で各々に敵との交戦の情況等を記録した「戦闘詳報」、及び旧帝国陸軍において兵卒に入隊から報告と忘備のためにその生活全般を詳細記録させたとする「陣中日誌」にとっている。
舞台での、また杯を交わしての交戦の情況や性生活に至るまでの詳細で赤裸々なアホ丸出しの駄文群は、後代の乱坊研究の必携一次資料となることを確信する。本日まで拙なる駄文をご愛読頂いた皆さま方に厚く御礼申し上げたい。

ついては近日中に本日誌は装いも新たにリニューアルオープンする。読者はその新装第四綴を見た時、瞬時にリニューアルの意味を理解できるであろう。
会者は常離が世のならい。互いに笑顔で別れようではありませんか。またミクシで会いましょう。
各位の御酒運長久を祈り筆を置く。