第736回 第4回どぶいけ寄席(南御堂)を観戦

第4回どぶいけ寄席(南御堂)を観戦。
二娘同行。子供は入れない。どうせ私も見られないと思ってた。
挨拶だけして帰るつもりが、天寧がどうしても落語を見たいと言う。
絶対静かに見ることを諄々と言い聞かせて、十巣さんや喜六会長令夫人にお頼みして、同伴していただく。

まつ梨はロビーで静かにお絵かきと相成った。
僕は、扉の隙間から漏れ聞こえてくる熱演を一言も漏らさぬように、壁にへばり付いて聞く。

外でまつ梨に言い聞かせているうちにトップバッターの茂八君は終了してしまったようだ。聞けなかった。

円九君のお玉牛。夜這いの場面で笑っている子供が居た。
ませた餓鬼やなあ、と思っていたら天寧だった。末恐ろしい。エッチだ。

千太師、崇徳院。聞いていて穏やかな気持ちになった。
「金持ちはしょうむないことで悩んで云々」の下りがないのが好き。
出入り業者だから懸命なんじゃなくて若旦那を思うて動く熊五郎が心地よかった。

中入。ここで気づく。
まつ梨が静かにお絵かきしているんだが、その相手してくれているのは、狂角さんだ。延々まつ梨とおしゃべりして遊んでくれている。
自分の娘でもげんなりするのに、静かに上手に楽しましてくれてはる。
悪いなあ、と思いながらも漏れ来る熱演を聞き漏らすまじとまた壁にへばり付いた。

やん愚師、代書。枕でアホ声の説明をして居られ、あたかもアホ声を作って演じているように言ってらしたが、あのアホ声が本物のやん愚さんで、代書屋のニンが作った人格であることを私たちは知っている。
アホ声を出させたら日本一。アホ声の天才、アホの中のアホ。
こんなアホな先輩がいてアホ仲間としてこんな嬉しいことはない。
本間にアホやなあ、底抜けのアホやなあと尊敬した。ええ意味で。

天寧はこの代書でお腹が一杯になったようだ。出囃子の時に飛び出してきた。あとは狂角さんが受け止めて下さる(子供遊ばして頂くのホントに上手でびっくりした)。

粋花師、天神山。退職記念公演。
髑髏の下りなし、花で。円熟味ある天神山。
猛烈に、したい。やはりいい話だ。
終演後のサプライズは赤い還暦装束(被り物とちゃんちゃんこ)。
あれを被ると一挙にお年寄りに見えて吃驚した。

終演後、挨拶して帰ろうとすると、十巣さんと喜六会長令夫人に強くお誘いを受ける。子等迄同行して中華幸梅でミニ反省会。
蝦焼売、春巻、蛸天、ビール二本、焼酎ロック二杯づつ。
子等ラーメンなども食して満腹で、授業の妻より僅かに先に帰還。