第152回 雛祭の散し壽司

 壽司の局面を迎へると野望と諦めが交互して大變なことになる。
 壽司を作りたい。でも難しいに違ひない。ネットで調べたり本も見たりして、酢と砂糖、鹽、具、米なんかの比率を研究するんだけども、わからない。バラ/\なんだ。水加減も難しいだらうし、
 壽司飯の善し惡しは全く人それぞれである(みーち○ん食堂が好きだが味が濃ゆくて田舎臭いと定評)。
 柿の葉なのかバッテラなのかチラシか手こねか卷きか握りかで飯もみな違ふんだらうし、いろ/\考へ逡巡したあげく近所のセブンイレブンで卷き壽司を買ふと結構これが美味いんで、飯喰ひの割に自分で壽司を作つたことのないチキン野郎だ。
 妻からは、實驗を繰り廣げて無駄に失敗されるよりも、三百五十圓で卷き壽司を買ふ方が經濟的だといふ批判もある。そのくせ、壽司太郎やチラシ壽司の素のお世話にはなりたくないとくるから始末が惡い。
 まあ、量を確保することが先決であることには變はりないが。
 
【陣中日誌兼戰鬪詳報】朝、昨夜の味噌汁玉雜炊、アスパラの牛肉卷き。晝、晩、ジャガイモとホタテの燒ゐたヤツ。美味かつた。その後ひなまつりケーキを食する。