第126回 鯨祭の終焉

 家に歸つてスーツをかなぐり捨てると、手を洗ひ、ボールに鯨の殘りを入れて、醤油、酒、ショウガをぶつかけ漬け置く。
 約10分漬け置いたら小麥粉と片栗粉を半々にしてまぶして、フライパンに多めに油を敷きアゲ燒く。給食の味だ。龍田揚げ。
 これで1kgを完食したことになる。實にすばらしい3日間であつた。樂しんだ。堪能した。感謝した。今度は、ベーコン、コロにも挑戰したい。日本の誇るべき捕鯨文化を細々と家傳することを視野に入れ、我が家の狹き臺所で奮鬪してまゐりたい。
 緑豆(糞グリンピースのことだ)においては、歐米人が牛や鴨を食べること、いや緑豆、諸君自身が動物性タンパク質や命ある植物(穀類も含めて)などを一切攝取することをやめた上でないと、即ち、自ら即身成佛とならぬ限りは、僕たちに鯨のことについてホゲタを言ふ資格はない。
 僕は精一杯、犧牲の冥福を祈りながら、感謝の合掌をして殘さず食ふてをるつもりだ。
 
【陣中日誌】

朝、ポタージュスープ。寫眞は僕のスープと、狂亂の問題兒。
晝、燒きそば(大)定食。
夕、柊谷と「一休」で脣にお濕し。ほとんど銀杏で(寫眞省略)。
夜、自宅で鯨の龍田揚げ定食。