第109回 王黨派による壓制

 マイミク諸候から、空手形だの、出來もしないだのとすこぶる評判の惡かつた「亂坊の飮酒の中一日空けに關する妻の命令(飛石飮酒令)」が、昨夜、與黨で專制君主である妻の嚴命通りに正式に施行された(紀元2667年妻令第1號)。
 これにより原案通り、一月中は試行期間として、曜日により月水金および土日の内の一日を飮酒可能日とすることを、しぶ/\野黨(亂坊代表)が諒承。
 二月からは本運用として、奇偶數による飮み分けを行ふが、月末に向け、與野黨間での抗爭が激化する見通しだ。
 與黨は、大の月が31日、翌1日と奇數連續による連日飮酒となることを野黨側の暴擧であるとして、偶數日案を主張。野黨は徹底抗戰の構へ。
 
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 飛石飮酒令の初日を迎へた我が家の晩餐會では、ひぢき、アゲの炊いたん、さよりの干物と、幕末漁村の風情が溢れる、質素な食事に舌鼓を打つた。
 食事時間は約十分。飮酒時の六分の一程度の時間で、亂坊代表は終始無言、不機嫌であつた。
 食事を終へた亂坊代表は、「本令の行き過ぎた嚴格運用は、飮酒をアンダーグラウンドな世界に隱蔽させる可能性がある」と、福島の兄貴の例を引いて警戒感を強めてゐる。
 
【陣中日誌】

朝、拔ける。
晝、八木の笑軒でマーボーラーメン、ライス。
夜、痛飮、男の痛飮。