第108回 むしやくしやして…

 大變なことになつた。原因は些細なことだつた。
 妻がカッターシャツを買つてきたんだ。僕を引きずつてつて、現場で寸法合はせりや良いのに、昔の寸法で買つてくるもんだから、合ふわけがない。この寸法合はずを毎夜の酒のせゐにするもんだから、僕はムカッとした。
 彼女に見えないやうに一升瓶を持ち上げると、彼女が振り向いた瞬間、注ぎ口を振り降ろした…、グラスにソッと。悟られぬやうにもう一合を注いだんだ。
 これが見つかつた。妻がキッとまなじりを上げた。まづい。えい、まゝよ。
 「あゝ、わかつた、わかつたよ、受諾するよ」
 反射的に言つてしまつた。この瞬間に決まつたんだ。紀元2667年1月17日、亂坊、飮酒の中一日空け制を容認。
 ルールの詳細は今夜の交渉次第だが、當面の豫定を考慮すると、月、水、金は飮んでもよい。火、木は飮まぬ。土、日は協議中、未定だ。
 當面の豫定が終はつたら、奇數日、偶數日で決めてもよい。當面、金曜のねぢれ、森脇君、月曜の無門關君、月末(水曜か?)の西宮お別れの大酒盛り。仕事の宴はない。平良、ぎんじらう君との懇親も追つ付け日程が決まつてくるだらう。
 今後、お誘ひ頂き難くなるだらうが、どうぞよろしく頼みます。
 
【陣中日誌】

朝、ぬき。
晝、モヤシ炒めとあんかけ燒きそば(王將)。
晩、アゲの炊いたん、ひぢきの炊いたん。