第86回 新入り

 初代は明石の獨り暮らしを多彩に彩つた名機「明石徳三」號であつた。二代目は八木で僕を慰めた三菱製の「獨身最後の夜」號。そして三代目はご存知「ジョン」號である。
 今日、夜に期待の新人四代目のんがやつてくる。ヤマーダ電氣が配逹してくれるのだ。
 娘たちは手藥煉引いて待つてゐる。「夕方クインテッド」や「ゐないゐないバー」が見れなくてダヽをこねられたことが敗因はない。どこで覺えたのかはしらんが、あまねが「うちはテレビも買へん、貧しい家なんかいなあ〜」と獨り言を言ふたのが購入を決意させたのである。
 きつと、彼女を背後で操つてゐる奴がゐる。
 
【陣中日誌】

朝、ラーメン雜炊(寫眞なし)。
晝、拔き。
夜、業者と忘年會。串揚げの店。寫眞は二次會の模樣。管理會社、行きゝりよる。本人談、デビルマンらしい。送られてきた。僕は一次會で歸つた。

【卷末グラビア】

母方のひいおぢいさん米造の勇姿