第1248回 死と隣り合わせの仕事

【30日朝】(前略) 昨夜は笑鬼師にすこぶる評判の悪い宝焼酎25度1cupだけで終わったので世界が美しい。世界の美しさを知るためには平素の痛飲が必要だ。愛を知るには憎悪や無関心を知らねばならぬように、主客一体、時空共有の栄光を見るためには、百万回の無様な舞台が要る。
【午前】葬儀2件、ホテ回。人生で結婚式の司会を2ダースほどしてかなりお目出度い奴だと思って生きてきたが、この事務所に来て2〜3週間で簡単に葬儀回数が司会回数を凌駕した。数珠は千切れて珠は飛び散り、指はいつ臭っても焼香の香りがしてる。死と隣り合わせの仕事だ。←何かかっこいい。
【昼】(中略) 時間がないので行動食ですます。
【午後】葬儀1件他。区域内を終了し、ご筆頭と宅訪。田中君と親父の車デリバリーして難波に降り別れる。
【夜】難波で既に遅く、今日こそはと心待った定例αにまた行けず、少しく腐る。兄弟に会えぬは残念なれど、感謝せよ、気として満つる見えざるは、今宵もまた眼前の人の口、受話器の向こうで話す声を用い、表現舎とは一体何か、何をしに来たかを思い起こし続けさせ給う。