第990回 池田サカエマチ商店街・夏得イベント司会

 らいむ師と出会ったことは人生に於ける大きな分岐点であった。今、師と語ることは、繁雑な日常に於いて僕自身のあり得べきを確認するためのよき道標である。
 サカエマチイベントは5日連発で、この日はらいむ師との競演であった。汗を流して楽しめた。
 休憩時間、師と話していて思い当たる。僕がやるのは講演ではない。講演芸だ。講演ショーでなければならぬ。寝られるとガラスのハートが粉々だ。寝て頂かぬように腐心しなければ失礼に当たる。
 持って帰って頂くものは、2行ばかしのパラダイムチェンジと、明日からも頑張っていこうと少しく感じて頂くこと位だ。
 先生ではない、単なる表現舎に過ぎぬのであるから、皆さんが平素やっておられることを文字や言葉で再定義し、気づいて決心に導く介添人でしかない。
 せめて笑うて下さる間だけでも日常の苦から自身をご解放して差し上げたい。ご馳走のしようが無ければ最期は落語をするまでだ。与えられたお時間を共に楽しく共有出来れば御の字である。
 良き日もあり、悪しき日もある。恥のかきつづけであるが、また牛のように歩むことを、打ち上げに師と話し合い別る。
 この日は三歩師の令夫人とイベントでご一緒した。記録しておく。
 
 笑鬼会長に服部駅から架電。西中島南方駅にて千太、粋花両師と共に呑むと聞き、走り、同席。
 粋花師とお飲みになられる各位の為に、師の鑑賞のポイントを記しておこう。
 酒が師の体内で飽和状態になった瞬間が見えるのだ。この日は二軒目の寿司屋でおとづれたが、「あ、粋花さん、今、お酒がちょうどお足りになったな」、「ここで脳にお酒が届いたんだな」と見える明確な線のようなものがある。
 このご酩酊フラッグの前後をしっかり見極めるようになれると、粋花師の理解が一段と進むのである。僕も最近、解るようになった。粋花師研究の最前線の成果である。
 
 後、服部ご本宅に帰り、慈愛に満ちた令夫人様、妙齢のご令嬢様と、爆睡する笑鬼会長を尻目に殺して歓談。最期、独りで、吉弥師の親子酒、雀々師のくしゃみなど聞いてお布団に沈没。