第972回 絶滅危惧種の包囲網

あいご【愛護】(名)いつくしみて保護すること。大切にして守ること。− 金澤庄三郎編『廣辭林新訂版』三省堂発行(昭和12年1月25日新訂第360版)より引用。
 
 絶滅危惧種に指定されている希少生物「表現舎乱坊」への愛護の網は、着実に僕のぐるり周囲を取り囲んでいることを感じる出来事があった。
 西成区社会福祉協議会の津守の集会は2期目で、ご来駕の皆さんと楽しく過ごすことができた。終演を見計らい、西成区社協の片岡主幹から着電。打ち合わせの儀あるによって差し支えなくんば区役所に出頭せよとの仰せ。区役所8階に入る。
 思い起こす。粋花さんの「行くか」一言に「あ、行きます」と発して始まったこの僕の大事業は、現下、市内他5区を担当するまでに拡がりをみせた。各社会福祉協議会関係でのお喋りの回数が最も僕の中で一番多い。
 社会福祉協議会の業務は多岐に渡る。介護対象の皆さんはもとより、介護認定を受けておられぬ方の介護予防、地域でボランティア活動に勤しむ地域ネットワークの皆さんへの研修やお世話、またご家庭で介護するご家族の皆さんへのケアまで様々な分野を受け持つ地域の包括支援の中枢である。
 僕は、閉じこもり予防事業だけではなく、先頃はネットワークの皆さんとの研修会でお話させて頂き、そしてこの日の打ち合わせでは、新たに家庭介護で頑張っておられる皆さんの懇親会でお話する機会を与えられることになった。
 主幹・片岡氏は、職場職域だけでなく、色んなところで僕のお喋りする機会を見い出してくれて、積極的に仕事を取ってきて頂ける、僕にとってマネージャー兼監督のような人の一人となっている。ご本人は乗りの良い実に愉快な方である。
 彼が僕にお喋りの機会を作ったとき、彼への報酬も決まっている。一件につきネタ一個。お立場柄様々なところでお話されることが多いので、枕になりそうなネタを探しておられるのだ。昨日は「昔、白馬に乗ってやってきた王子様、今、吐くまで呑んで帰ってくるおじさん」を差し上げた。メモされた。どうぞお稽古してご自分のものにして下さい。
 こっからが本論だ!落ち着いて聞いて欲しい。
 この西成区社協に、先日府立山本高校同窓会でお世話になったGさんの奥様も働いていらっしゃることが判明したのだ。不思議なご縁である。G令夫人を探してお話しする。
 Gさんは昔らいむ師と同じ職場で「お笑い研究会」事務局で、関大の先輩に当たる方だ。この人の奥さんが粋花さんの奥さんと机を並べて仕事をしてなさるのだ。全然系統は別だ。出会うはずがない。あり得ない。なんなんだこれは!
 ちなみにウチの妻は某社会福祉施設で今働いてくれているのだが、彼女の職場は西成区社協からアウトソースを受けた地域の包括支援センターとなっている。最近知った。
 ウチ、家族ぐるみで西成区社協がらみじゃないか。そういえば、市内の各協議会から来る封筒を、妻が不思議そうに見ていたのを思い出した。
 彼女は僕がどこで喋っているかは知らない。