第942回 終戦直後の超贅沢お弁当

今日は弁当のことなど書く。
表現舎の休みの日のレジャーは如何にあるか。金をかける訳にはいかん。妻は仕事の所要。私ら夫子三人は放牧。平素極道の限りを尽くす私は羊飼いとしてのお礼奉公だ。
近所の住吉公園、住吉大社の門前広場である。池があり東屋がある。その前の芝生にレジャーシートを広げ弁当を開ける。
私は台所でいつも弁当を作る。深さ5センチの弁当箱の下2センチに飯を敷き詰める。その上に塩昆布をタイル状に置く。また飯を2センチ押し敷く。その上に醤油に浸した鰹節を敷く。醤油がドボドボにならんように注意だ。また飯を2センチ敷き詰める。最上段は醤油を軽くかけたチリメンジャコだ。炊立て飯の場合は中断にチリメンジャコを挟むとジャコが炊けるのでNG、最上段専用である。
賢明なる読者の皆さんはお気づきだろう。深さ5センチに2センチを3段で6センチ。1センチは押圧して蓋をする。そしてまつ梨に「この上に垂直に三角坐りして坐ってなさい」と厳かに命じる。
公園で冒険隊二人には池の周りを探検して来いと下命。父はかのか芋をビシッと決めて、来るべき時を待つ。
時が来る。蓋を開け、切って取り分ける。綺麗に切るとあたかもショートケーキのごとき3層構造が現れる。飯層を分断する不連続面はそれぞれ出汁成分出す。醤油を媒介し飯に程よい味を染み込ませる。うまい。
娘らもキャーキャー言うて食う。終戦直後の超贅沢弁当。誠にうまいが値段は安い。