第933回 ポンしゅう

自転車に乗ってる。
もともとは、さる自転車屋の大家のお嬢さんに頂いたCanondale社製M500型マウンテンバイクである。
当時2、30万した代物だ。長らく乗っていたが、数年前に来舞兄に預かってもらった。それを再度奪還し乗っている。
ショックがついていない。路面からの振動を全て受ける。道路は実はでこぼこである。ハンドルを握る手は振動で白蝋病になりそうになる。尻はスカウトで馬事章を取った時のように痛い、殊に痩せてから尾骨が痛い。振動は小大の両腸を直撃し、一月ほどピッピーであった(最近は慣れてきた)。

政令指定都市の各区内は基本的に自転車で行くようにしている。駅へ行き、地下鉄を待ち、乗り換え、駅から歩く時間を考えると、ドアからドアの直線時間とさほど変わりない。中央区から天王寺区までなら自転車の方が早かったりする。
政令指定都市には堺市もある。南区と美原区は無理だ。遠すぎる。
市内で自転車で移動していると、今、上町台地が完璧にわかる。上古の時代は湿原にそびえる上町半島であったらしいが、おぼろげながら当時の姿を想像することが出来る。

自転車に乗っている時、精神は自由時間であるから、最近はカラダは苦行していても落語三昧である。東西の名人上手に聞きほれている。

今週は偶然にも左甚五郎関連を山ほど聞いた。
ご縁在って「まめだ」を覚えなきゃならないことになった。また潜伏して追い込まれた生活になる。