第897回 アイデンティティなきボーダレスの行方

12/26(土)
夜勤開け。現場から帰らず直接に行く。
フル装備を梅田のコインロッカーに預け、つぼみ姉の近所の妙見山付近の野営場へ。小雪、蘭子らと姉の案内で。
スカウトがキャンプしている数百メートル横にかまどを作ると、薪を集めて焚き火を開始。薪は乾燥しており早い段階で私が理想とするところの所謂「インデアンの焚き火」、すなわち二、三の太い薪の先端が燃えてその押し引きで火力を調節する段階になる。
そもそも焚き火をしないと心が落ち着かぬ小雪の要望で招集されたものだ。僕は夜勤明けの定番、焼酎ワンカップを二合決めて、つぼみ姉、小雪、らん子の話を肴に、パン、お芋、カシワなどを摘まんでホロ酔いに。
齢40を超えた辺りから焼き芋の、さつま芋の美味さを知る。昔は食べられなかったが。途中から眠くて朦朧とする。帰りは宝塚線を行き戻りして、十三と雲雀丘花屋敷を見る。一時間超を寝て英気を養う。
梅田。荷物を出して、天王寺に向かう。端山の小父貴と、某秘書のT君との忘年会だ。
待ち時間、ガードレールに座ろうとしたら、地面から生えているヤツじゃなくて、プラスチックの置いてあるだけの頼りないヤツだったので、後ろ向きに転けて、帝都天王寺のど真ん中で「後ろへゴローン(落語『つる』より引用)」とひっくり返り、初ぶな新妻のM字開脚さながらに頬を赤らめ恥態を晒す。
T君の姿を発見する。彼は誰か転けてることには感づいていたようなので、耳の付け根まで真っ赤にして「それは僕だよ」と吐露する。二人笑う。
店にて乾杯する。小父貴もお元気そう。二人してT君を育てる会としての作戦を練る。
様々なる検討を経て、日本国憲法が前文にて夢見、戦後、真の意味で未だ為らざるところの「新日本国家建設」の大願を成就するため、腐らず、地味に、基本から、目と目を合わせて進めて行く旨合意。
大衆の中にあって、大衆と共に進む、改良された新しい保守主義(これを訳すとネオコンになっちゃうが)を造り上げるべき時代が到来し、担うべき我ら世代が社会の実権を握る準備が整いつつある。
戦後の軽薄な様々なる形の二元論の類いから脱出し、先ずは誇りと責任を以て次世代を育てて民族自決、而して後に万国相和するの順序で進むべきを確認する。アイデンティティなきボーダレスは亡国への第一歩である。

もう一軒立ち飲んだが最期は記憶なし。