第890回 初天神

12/19(土)
寒かった。めちゃくちゃ寒かった夜勤開け。帰ってゆっくりしているひまはない。
子供らと作った凧。以前に書いたが幼稚園で作った土佐凧を揚げる凧揚げ大会が、今日だ。
勘弁してくれよ。しかし親父に幼い頃凧揚げの極意を教わった身としてあの楽しさを後代に伝えぬ訳にはいかぬ。
凧揚げには自信がある。親父に教えてもらったのは以下の言葉。
「まず風を感じよ、凧の糸から風を感じよ。風強ければ自身が風になびき糸を緩め、風弱ければしゃくって風の到来を期せよ」と。この高野の家訓ともいうべき教えを後代に伝えねばならぬ。
幼稚園の先生方が来る。九月に敬老会に出たので若い先生方とも親しくご挨拶申し上げる。僕は密かにまりえ先生のファンであり、同じ血液型故に、先生の一大事には僕の血液の大半を輸血して差し上げても良いと思うておるが、本稿の主旨から外れるので横話はさて置く。
風は西から。風上に立ちまつ梨に空へ自作の凧を放たせた。尻尾は新聞紙を他の皆さんより長くした。
僕の凧は風を見事に捕らえてぐんぐん上がる。糸100メートルを出しきり、天寧には
「糸を買うてこい」と初天神そのまま。
途中、まつ梨が「まちゅにもやらして」と言うのを
「10年早いわ」と少し持たせるだけ。
揚がりきり、風に乗り安定して子等と交代。天寧に糸を巻かしてアドバイスしながら下ろす。
他のお母さんたちも
「うちの子にも揚げさしたって下さい」と順番に交代さしたげる。気を良くして帰る。
帰りに南港ポートタウン駅で、子等キツネうどん一杯づつ。ワシ一合あつめで。帰り寝る。 
起きてシチューを手バヤに作って、帰りきた妻と交代に家を出る。
砂九感謝祭打ち上げ。一軒目、土間土間。二軒目、カラオケ。
和歌山県職の裸体を灰皿で局部隠すに躍起になる。歌を全曲書き留める。最近、病的にメモ魔である。
三軒目に向かう途中、妻に電話す。
「俺がおらなおさまらん揉め事が発生した!行かなければならぬのは誠に辛いが、仕方がないんだ。行かなければならないんだ」
妻、「ハイハイ(棒読み)」
ところが、ご許可を得て電話を切って振り返ると、みなとはぐれていた。仕方がないので妻に電話。鍵を忘れて来たことに気付いたんだ。
「えらい大揉めに揉めていた揉め事は二分で解決した。頼むから家入れてくれ」
「えー、帰ってくんのん?見たいドラマあるから、なんか揉め事探して解決してきて。帰って来たらうるさそうやし」
まあ、そんなん言わんと、まあまあまあと、うまいこと言うて帰った。