第883回 堺と伊賀

12/9(水)
夜勤開け。焼酎。昨夜のカレーにパスタ入れて。日常は続く。咳が止まらない。翌日に備えてタバコを控える。
勤務実績報告。T室長と意見交換。
「高野さん、結構言うようになりましたねえ」
彼は某国立大卒の秀才である。
「与えられた任務を120%の顧客満足を以て完了する」
「割当される同僚との最大公約数の能力発揮の要としての在り方」
などを話す。一年半しかいないが、問題点は数々見える。が、愛着はない。礼節を保った問題提起者の位置付けでよい。
而して後、堺にて友人夕食会。あの方もご同席。チラシ寿司。ワカメスープ。ノーベル賞候補のU先生の奥様の癌の治癒を心から祈る。先生は僕の一部皮膚の代謝異常を心底心配して下さった。立派な方も、下賎なる表現舎も等しく人生に悩みを持つ。何より人とこんなに短時間で深く、親密になったのは初めてである。
久美子姉の表現の達者さに舌を巻いたことも告白する。自宅に帰り、翌日に備えて早寝して寝る。
 
12/10(木)
起きる。咳が止まらない。八木でハヤテ君と合流。名張でらいむ師と合流。一瞬、名張の不動産業者T君の事務所を覗いて、昨夜の架電の件を依頼。
車でJA大山田支所の会場へ向かう。
心を尽くした支所長による昼食のご接待。この清き食をありがたく受く。
二時開演。地元の我が母、きー母さんのご来籠。なんか安心する。
トップバッターにハヤテ君「手水回し」間違いのないぶれぬ安定を袖で満喫。ホットに温める。
二番手、乱坊「お忘れ物」。咳を堪えるが、途中から咳を忘れる。伊賀のお客様の感性と想像力の高さに支えられ、中とりらいむ師に繋ぐ。
らいむ師「ねずみ」お客様はしっかりとお話に没頭され、筋の流れに身を任されていた。キチッと小さなクスグリも拾ってご反応なさる。らいむさんが見えない。
中入り。
乱坊「くっしゃみ講釈」ありがとう、お客様、ありがとう。よくぞ付いてきてくださった。咳を我慢するから、張らず、全体的に軽くなったかも知れぬ。僕としては物たらんが、お客様の精神・身体的には良かったかも知れぬ。
打ち上げ。うなぎ専門店にお連れ頂く。うなぎ、美味い。造り、美味い。特にウニのお汁、最高!
生中一杯、熱燗をでかい寿司屋の湯飲みに溢れんばかりに二杯(計三合〜四合か)。
途中までお送り頂く。ハヤテ君、上着を酔い忘れたとのこと。支所長取りに戻られる。
帰ってこられた頃、ハヤテ君、
「あ、財布も忘れました」
分けて言うなよ。
ここで別れ、我ら三人で取りに戻る。希望としてはもう一回忘れてほしかった。
車中三人、また電車でハヤテ君と様々語る。
伊賀は良き所なり。思い出深き一日となれり。