第824回 あいじ【愛児】

可愛がっている其の人自身の子供。― 学研「新レインボー小学国語辞典」改訂第3版より。

10月2日金曜。前編。

新疆ウイグル自治区からN君、旧満州帝国領からT君らが帰朝した。中共工作や日本民主党に氏名が露呈すると故人献金の秘密を握る民主党顧問税理士や秘密を知るはずの某秘書のように友愛(謀殺)される恐れがあるので名は伏せる。

彼ら友人二人は、現政権の唱える「東アジア共同体構想」の実現の可否を支那を舞台に実地に見定める為の調査をする僕のエージェントでもある。貿易商社社長やゴム製品製造会社の工場長という仮の姿で適宜情報を伝えてくれる。

彼らは情報を伝えてくれるだけではなく、同時に少数民族の動向にも仔細にアンテナを張り巡らせ、独自の判断で少数民族らに適宜ワンポイントアドバイス等を施して、各民族自決の方向に誘うための重要な任務も帯びてくれている。

僕を含めた彼らとの三人のユニットを伝統的に「河豚班」と呼ぶのは、日本の準軍事団体であるボーイスカウト時代の名残である。

彼らの情報を総合して分析する。もちろんこれが全てではない。しかし実際に支那で毎日暮らし、漢民族と袖を摺り合わせ、酒を酌み交わし毎日を過ごす彼らの話はまた真実の一端でもある。

支那は、非常に危うい橋を渡りながらも年8パーセントという不可思議な成長を続けている。リーマンショックの折、莫大量の資金が中共政府から市場に投入された。聞いたが恐ろしい額で真実味がないので記さぬ。いわゆる普通の市場介入ではない「ルール無用のマット」なのである。

建国60周年の国慶節では「全民族の融和」を合言葉に56部族から代表者や有志が記念式典のマスゲームに参加して奉祝ムードを盛り上げてはいたが、参加したNの知り合いの或るウイグル族は、郷土で漢民族に因る大迫害が進行中で犠牲者が無尽大に出ているにも関わらず「出ると金が沢山貰えるから行くんだ」ということで、式典に参加した。

Nは、この不埒な民族の裏切者に随分と説教を食らわしたらしいんだが、それを聞いて僕も激しく脱力した。遊牧民族の煽動や統一の難しさを痛感しているところである。

議論は百出し、約三時間に及ぶ検討の結果、以下の四点が論題として挙がる。

一、東アジア共同体構想の理念が日本国内において明確でなく「友愛」等という意味不明な言い回しで中共のご機嫌取りをしているようにしか見えぬ現政権は、日本国民の利益の享受を差し押いて、必死に在日外国人に関する諸政策を展開するが、その基本方針が中共の真の狙いであるところの「中華人民共和国日本民族自治区」の実現にあることを「知って」の狂態である。外国人参政権人権擁護法案、対中追従、夫婦別姓支那の制度)、ノービザ推進、日教組の重用、など恐らく真正日本国民が「ポカーン」とするような政策を連発する(選挙前から解ったことだが)。

もはや政権中枢内部の工作は既に完了していると見て良い。100年後に民主党に投票した人らの子孫に「おじいさんたちは知らなかったんだ」とは絶対に言わせない。ネットを漫然とでも見たら簡単に解ったはずだ。

二、東アジア共同体という観点で言えばインドの重要性はもとより、台湾、フィリピン、殊にインドネシアの重要性を再確認。マラッカ海峡とその南海を押さえておけば、本邦の軍事・物流の要衝として通行を確保できる。また私見ながら追中追米いずれにしても、海上封鎖できる切札を担保できる。

そもそも「東アジア共同体構想」に中国以外の論がゴソッと抜けていること自体が問題である。

三、杜甫李白等の大酒飲み、張飛関羽等の酒豪を産み出した国にしては、今の中国人は酒を呑むピッチが恐ろしく遅い。白酒(パイジュー)を一々乾杯して飲み干すまでは注いではいかん、という現状の支那の酒飲みルールは、そもそもが独酌でガンガン行く日本男児にはまどろっこしくて仕方がない。

四、漢民族の女の子は可愛い娘も多いけれども、彼女らの歩き方と立ってる姿は実にダラダラしていて、服装も無茶苦茶だからすぐ分かる。

会合の終わりに向かって、ドンドン酔って行ったのが分かる議事録である。

問題は、東トルキスタンチベット等の民族浄化に関して、日本国内において何らの報道もないのが気になることだ。Nから貰った地元民が取った動画や写真をDVDで見た。また中共政府が流した公式の動画も見た。それらには大きな差異がある。その詳細を以てどちらが真実であるかをここで述べるのは情報量が少なすぎるので差し控えるが、少なくとも日本国マスコミは日中記者交換協定などは度外視して、これら多大な人権迫害に対し言し論しなければ、日本国内の報道機関、貴殿らにマスコミを語る資格はないことだけは明白だ。ワシでも入手できるのだ。貴殿らに入手できないはずがない。

娘らは、漢民族ウイグル族双方がフルボッコされている映像を見て泣いた。残酷であるが見せた。教育だ。
マイミクらの愛児にも見せて刷り込ませておかなくてはならぬ。僕は支那を将来にわたり信用するなと教えるしかない。

日本国民主党は、にこやかに、スムーズに、シームレスに追米から追中にスタンスを変える。その際、我らの将来はチベット東トルキスタンウイグル)のようになることを日本国民須らくちゃんと思い描けているか。民主党支那にちゃんと物が言えるのか。支那のエージェントなのか。ここが重要なのである。
僕らはここで褌を締めてかからねばならぬ。少なくともマスコミは僕らの味方ではない。国民に真の情報を下そうと考えているのではないことだけは愚鈍な僕でも解る。うちのおかんでも解る。

各種の生の情報を得て一人考える。中共の件のみならず帰属する地域や団体に九割九分の正義面を以て、何らかの攻撃や非難がもたらされた場合、真意を計った上で、我が帰属する側にたった一分の義しかなくとも、それをその一分の儀を大義として、たとえ外から見て誤っていたとしても「残念ながら」帰属する側に組し、彼らと運命を共にする覚悟を決めて、攻撃側に対し全力を以て反撃しなければならぬ。ワシら日本人はそうだ。少なくともワシはそうだ。それを美徳として生きる。

難波常店にて大いに飲み論ずる。九時解散。