第806回 社会人落語初代日本一決定戦(上巻)

なんせか妙に綺麗な女の子たちがいた。去年の秋からくらいの企画物と言った子と一緒にいた。不思議だった。

次に無眠師の動物園を見た。弾力のあるトゲトゲしさがないホンワカした舞台。自信と柔和な人格に憧れる。動物園を違和感なく8分に納め、後半の山場はキチッと山に、笑いは欲しいところで欲しいだけ、ちゃんと取られて美しく決められた。やられたな、とモチベーション半減する。

笑人師のフラスコは、手、顔が張り付いているのがしっかり見えた。フラスコが見えて面白い。

不良雲君は、河豚鍋を美しく決める。アホ声も朗らかに仲間の帰って来た感がある。昔行った服部図書館を思い出す。色々あったな、弱虫の仲間、いいぞ、くそっ。

広島の柱笑福師には終演後、親しくご指導を賜った。いい人間の落語の登場人物は、皆、いい人間。私の持論を地で行く漢と後にバスで横の席に座る栄光に浴する。

他の不知の演者を評する欠礼は避けねばならぬ。いずれにせよ感じたのは、「他人の8分は長いにも関わらず、己の8分は何と短いことか!」

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1208880551&owner_id=6730182

前掲の日記で出場を決意し『蛇含草』に決めたことは書いた。僕はあのネタを22〜3分でやっていたと思う。それをビデオ取りのために軽量化して14分にした。ネタを再度米朝全集から再度新規に起こしてテキスト化し、携帯で毎日修正しまくった。

ダイソーでストップウオッチを買った。繰り倒して9分半に縮まったんで家族みんなで喜んだ。頑張れば縮むのね、と。50万円があるから、な。「お父さん、頑張って!りかちゃんハウスが欲しいの!」と6歳女児に叫ばれた日にゃ必死でネタ繰るわよな。

それを引っさげて8月第1週の賛助出演。嗚呼、お客様の笑いに乗せられてのネタの先祖返り、笑いを待つ間などを全部足すと12分まで戻った。

これではいかんと、テキストを整理し8分24秒に。最後に大好きな箇所を幾ばくか削り8分02秒(平均)、とどめは出囃子を待つ間に「鏡(下駄のありかがわからん)」を切るを決意して7分52秒。よって8秒の枕と「相」成った。

僕の前任はあゆべい。かわいい子だった。少し袖で話した。テレビでそういう企画物があるのだそうだ。テレビという前時代的なメディアに出ている少女!というギャップが面白かったが、よくネタはくれていた。

他者を批評するのは本稿の狙いではない。僕の同僚の出演者らの名演については次回で詳細に述べる。