第784回 日本刀精神

大根の桂剥きをしていた。
その日は後で鳥腿肉を切る予定であったので、いつもより刃を荒く毛ばだてて研いだ、脂にまみれても引っ掛かりで切れるように。

大根の皮の一部が変質して堅くなっていた。
そこを乗り越えればきれいに切れずに20センチほどになる。堅いけど行ってしまわなくては。
力を入れた。えい!

刃が大根のモホロビッチ不連続面の堅いとこの次にあったヤラカイところをあっという間に突き抜けて、刃が大根の地表面に沿えていた親指の腹に入った。

ああ!

また切った。痛い。