第776回 密葬家族葬

学生時代に字義通り、手取り足取りご指導頂いた大恩人・亜と無師御母堂様御逝去の報に接す。

数日前に喜六会長から貴堂様の御重病である由の通知を受け、悪霊退散・御病快復平癒祈願の心の護摩木を積上げている最中の訃報であった。

本日の予定は全てを中止。現場も工事中止となる。職方等その段取りに遅れるは止むを得ぬ。

廃万難、滅万障し馬尻鞭入、滝汗の名馬を数多乗換え路塵にまみれても、必ずや夜伽の枕元に馳せ参じん。

皆で別れの杯を汲み交わすは御縁の在った御母堂様西方御旅立への拙なるが別れの馬の鼻向だ。

ウチの部員は皆そうだが(亜と無さんとこに限った話じゃない)、きっと親御さんは落大の息子のアホさ加減に心配して旅立たれる。

その通夜で「息子さんは確かにアホやけど、それはワシらも否定せんけども、沢山のアホな仲間が回りに居て、その社会の中で関わりを持って楽しく生きてはりますよ。色々御心配もおありだろうけれど、こんなアホな友達に囲まれて愉快に生きてはりますよ。親御さん、御心配は解るけど愉快にあと数十年アホやらしたって下さいな。どうぞ心配せんと行きなはれ」と棺桶の周りでしめやかに(?)お伝えする儀式だ(あかん、書いてて泣けてきた。実にかくあれかし)、と呂瓶さんにかつて教わったことがある。

いわば集団芸術だ。そのスタンスを変えたことはない。

走る。本夕六時、千里会館。


縁の在った方々はアップを始められたい。