第560回 おっさんさん

朝、お粥。
午前、娘たちと公園。サッカー、かけっこ、自転車乗り。
昼、おにぎり二個。
午後、現任講習。

「!ん?この人、見たことがあるぞ…誰だ?」

その人の顔を見ながら立ち止まった。向こうもこっちをじっと見てる。

「乱ぼ…か?」
「あ?」

この世界、殺伐としたこの支社で私のことを芸名で呼ぶ人はいない。有り得ぬ。これは誰?誰だっけ。

「あっ!」

二人同時に頭の中でつながった!固く握手を交し

「あ゛ーっ」

シェイクハンドだ。二分くらい口々に近況を交えながら

「あ゛ーっ、あんたこんなとこで何してまんねん」

二人で、まだまだ人生捨てたもんやない、と場末のカウンター居酒屋に並んで、肩を組み安焼酎を酌み交す。
生、表現などを語る。

アテにホルモン、きずしとか。
帰宅。自宅で妻を相手に焼酎二杯、さんまの刺身で。
ああ一体、これが必然なのならば、見えざる手の配慮や恐ろしい。