第455回 菊門調査

 朝、飯一膳、胡瓜の即席漬一握。
 午前、事務所から荷物搬出。手術の結果を聞きに市民病院へ。結果は眞摯にこの生を歩めとの有り難い仰せ。女醫の宣ふことに。
 妻は「貴方の周りによく居てさうな女性ですね」などと言ふ。惡かつたな。確かに美しくはないが、腕の確かな僕の女醫子さんを惡く言ふな、コンニャロメ。
 僕は「半年後に、彼女が僕の菊門を改めて分け調べると言ふてゐる」として、妻の關心を得やうとしたがあえなく玉碎、放置さる。
 夕、笑鬼御父貴から電話あり。今日は絶對歸ると言ふたのに、實の三弟から電話ありて、兄よ兄、飲んで語らはんと誘ひあり。仕方なく、ねじれの陰膳据ゑて角屋、蕎麥屋(イスあり)の連投で、いま玉出に着く。