第262回 逆・弘前三十一連隊

 今時、クールビスができるのは勞働環境が先進的な方達であつて、舊弊な環境に居る者は未だに衣替へしか温冷の別がない。
 長袖のシャツを着て、ネクタイを絞め、スーツを腕に持つて、パソコン入りの鞄を下げてお外を歩いてゐると、身體中から正に「瀧のやうに」汗が流れる。全ての服を脱捨てて褌一挺になつてしまひたい衝動を抑へながら日中を過ごして居る。
 瀧汗のちよい太親父の私にとつて電車は最高の憩である。地球の温暖化に危惧して車を避けて電車に乘つてる。
 何を決めてくれてもいい。優先座席、女性專用車輛、携帶電源オフ車輛。何でも從ひます。しかし「弱冷車」、ありや何じや。蒸し風呂やがな。弱でも一應「冷」やから窓も開けられへんし。堪忍してくれよと思ふ。
 いつそ、あれやつたら全部窓全開で「自然風車」とかにしてくれた方が涼しいんちやふん。終戰からこつち、長いこと電車に冷房なんかなかつたんやから、自然風でも我慢しますやん。頼むさかい「弱冷」はやめて下さい。
  
【陣中日誌兼戰鬪詳報】
朝、拔き。
午前、書類整理、各種聯絡。
晝、八木のたつ屋でサイコロステーキ定食(本間は燒肉定食七五〇圓を食おと思ふたが初めてだから調査のために)。美味かつたつすよ。
午後、確認書作成。建賣屋探す。ケンジの親父からワインを送達される。禮とのこと。大阪出て面談一件。
夜、カレー。