第194回 月日のたつのは早いもんや

 妻が便所で悲鳴を上げた。破水だつた。僕は、ウワッウワッと譯の分らぬ聲を發してゐたゞけだ。
 家の隣りの市民病院へ走る。へその緒が胎兒の首に卷付いてゐて大變なとこだつた。
 大病院でよかつた。産科と小兒科兩チームのシームレスな連攜により一命を取留めたんだ。
 僕は以降、知り合ひには大病院での出産を勸めてゐる。
 確か翌日、十巣師御來駕、公園の藤棚の下で二人祝酒。近隣年次の方も來て呉れましたな。
 六年前の今日、天寧の誕生日。
 
【陣中日誌兼戰鬪詳報】
朝、味噌汁。
晝、あんかけ燒きそば(大)、順子さんの分の飯。
夜、ハネツキ餃子、キンピラ牛蒡、アスパラとハムのサラダ、フルーツ飾り皿、バースデーケーキ、紹興酒一杯。