第142回 長島温泉にて

 今回は会社の研修で長島温泉に家族同伴で来てゐる。
 酔い醒めの水を探して起きた四時、しこしことこの「陣中日誌兼戦闘詳報」を書く。書かねばならぬ己の宿命を呪いながら携帯電話と戯れてゐる。最近ではパソコンから打つよりも携帯からの方が多い。僕にとってはもはやキーボードより携帯入力の方が早い。
 携帯で書いてると、電話が架かって来て入力が中断される。あれには物凄い脱力する。集中と勢いが遮断されるからだ。電話機能のない携帯があればいいのにと本末転倒なことも思う。
 携帯の電池ぎれ、ノートパソコンの電池ぎれ、車のガソリンぎれ、財布の飲み代ぎれは、どれも人のやる気を見事に失わせる類いのつまずきだが、中でも携帯のそれは誠に困ったことになる。
 電話の用のある人は最終最後は自宅に電話するなり手紙、モールス、電報、のろし上げるなどリカバリの方法はいくらでもあるが、飯は、飯はただ一回きり。一期一会だから、写真を取り損なうと取り返しがつかぬ。今宵の旅館の晩飯、これがそれだ。なかなか素晴らしかったのにおみせできずに残念だ。
 
【付録】長島スパーガーデンの図。

【陣中日誌兼戦闘詳報】昼、カレーライス。