第123回 鯨祭の準備

 事務所の人が、通販で冷凍鯨六キロを買つた。一キロパックが六個だつた。僕は言葉巧みにそのうちの一個を詐取、昨夜、自宅に持ち歸つたのである。
 この冷凍鯨一キロパックは、現在、我が家の冷藏庫の上から二段目中央に鎭座し、徐々に解凍され、調理、而して僕たちの胃藏にその御在所を遷すのを嚴かに待ち望んでゐる。
 僕は、僕と僕の家族、否、人類との神聖なる同化を強ゐる豫定の彼、(假稱)マルクス=アウレリウス=アントニウス號を弔ふ調理法に昨夜から心を踊らせてゐる。
 「朝鮮燒」
 醤油、少量の酒、ニンニク、生姜、葱に付け込んだ鯨をフライパンで燒く。ご飯汚しである。
 「ハリハリ」
 定番。水菜を買ひに走らねば。
 「龍田アゲ」
 給食の王者。レシピはネットで檢索だ。
 さあ、どうする。マイミク諸候なら、どうする!
 弔辭、提案、憧れ、羨望、要望、批判は、コメント欄へ急げ!
 
【陣中日誌】

朝、拔き。
晝、ハイ/\タウンの長崎チャンポン屋で皿うどん
晩、レンコンの天ぷらで冷や酒の一杯。