第65回 ポッ君の一ファン

 平野ぢやむぢやむ亭は、お客樣、主催者スタッフ皆樣方、共演のメンバーたちにも惠まれ、僕にとつて大變思ひ出深い會となつた。
 ダブルヘッダーの2囘目。最前列のうら若き女性(美しい)がほんたうに良く笑つてくれてゐた。
 『お忘れ物承り所』中の「外人」「滿期」にもお客樣方、殊にこの女性がよひ反應を下さつたので、終盤の「カメラ夫婦」の下りも根こそぎいくぞと氣合ひを入れてカメラ嫁はんの「あほー」の下りをやつた。
 この女性が體をくねらせて笑ふ。やつたー。よかつたー、うれしいー!その瞬間である。
 「しまつた!」
 頭から完全にネタが飛んだ。眞つ白だ。
 嫁はんのニンのまゝでオネオネ言ふてるが思ひ出せない。くそ、最後の盛り上げの大事なところなのにぃ。
 下座を見たのを覺えてゐる。圓九君と目があつた。それも體感時間で1秒と感じるくらゐ。
 そのまゝ落ちへ突進した。落ちで復歸。お忘れ物自體のネタとしての力を感じる。
 圓九君、いつもながらの好演。爽快。感嘆。
 三歩師匠、プロの底力を食らはせられる。尊敬。
 打ち上げは、ぢやむのスタッフ皆樣方と。古酒を瓶空け。後、天王寺でのとつあん寄席打ち上げの皆樣に合流。
 店は滿席。落語好きがぎつしりと集まる異樣な雰圍氣。これらOBの中で私は、まだ/\若手もいゝとこ。これからも、まだ/\勉強、勉強。稽古、稽古。あー、樂しかつた。
 追伸、師木下かつきんじ姉妹が見に來てくれてました。懷かしかつたなあ。
 
【陣中日誌】

朝、おにぎり。
晝、ヤキソバパンみたいなもの。
おやつ、ターキーレッグ
夜、亂坊製「鷄とジャガイモの炒め物」。飯。ドリスタン。