第64回 電話代り

 今日は電話する時間はないだらう。毎囘、舞臺の直前には、福島の兄貴に電話する。
 「兄貴、今日はどんな點に注意したらよろしいか」
 「亂坊、最後に傳へおく。お客樣と共に精一杯樂しんで來い!」
 「あざーす(ありがたうございます)」
 いつも同じ内容である。恐らく電話の向かうでは涙ぐんでおられるだらうし、こちらも肩の力が拔けて穩やかな氣持ちになる。
 お客樣に全然傳はらないこともあるし、焦つてドツボにハマッてもがゐて終はることもある。
 今日の舞臺も、色んな意味で生涯の思ひ出となるはずだ。あ、今日の娘たちのクリスマスお遊戲會のことですよ。
 
【陣中日誌】

朝、パスタ(昨夜の殘り)
晝、ぬき。
夜、お接待で痛飮、ラストはなかう牛丼。