第50回 悶絶の果て

 三日前の飯を思ひ出すのは至難の業である。だからこそ日誌は毎日書かねばならない。
 あとでまとめて書かうなどゝ不埒なことを考へると手痛いめにあふことになる。
 朝晝晩のたつた三食(實際は二食だが)なのに、思ひ出すのに悶絶した。反省だ。
 
【陣中日誌】

朝 ぬき
晝 サンドイッチ、コロッケ、ハムかつ(資料映像)
夜 福島の兄さんと會食(芋燒酎で)
お食事してゐたら三味線彈ゐてくれはつた石川さんが突然來られた。
鄭重にご挨拶を交はした。待ち合はせしてもあゝはいかんよ。