第1225回 環太平洋戦略的経済連携協定について

 皆を代弁して書いておく。事実上の日米二国間での自由貿易協定を締結せしめ、関税自主権までをも放棄せしむるような交渉を行う権限を現政権に託した覚えが僕にはない。悪い夢を見ているようだ。
 政権交代前の当時からマスメディアの狂態については重ね重ね本日誌においても叫び、度重なる失望もしてきた。どうせ今般の協定締結に関する報道においても、往時のように、外圧や何らかの企図にバイアスを受けた妙竹林な報道を繰り広げていることであろう。期待などしていない。
 先日、団塊世代の方と話していたら「世界の流れやからなあー」などとおっしゃる。んなこたーない。合衆国政府の思惑ではないか。如何に世界の流れか知らんが、本邦の国家諸制度が軟弱なうちに不用意なグローバル化を進めるのは愚の骨頂だ。小学生が英語を勉強するのと同じだ。母国語で思考できない者が、異国語に現を抜かしても、喋れるだけで思考思想はあやふやではないか。意味がない。
 小学生の英語は独りその小児のみの問題であるが、不用意なグローバル化は子孫の国を壊滅させる暴挙である。
 不思議なのは、メリット・デメリットをきちんと「議論」している場面に出くわさないことだ。皆は解っておられるか。僕はきちんとした説明を誰からも受けてない。ウチの嫁はん、ウチのおかん、向かいのおばちゃんも誰も説明されてない。
 賛成派は大丈夫を繰り返し、反対派は壊滅すると繰り返す。孤立するだの焦らす論調も聞こえる。
 日限が迫っていると焦ってなさる。バカか。大体、こんな重大事を、国論も定まらぬのに、何が日限だ。降ってわいたような持っていきようやないか。
 メリット・デメリットなんて、こんなこと交渉に入る前に解ってんといかんがな。ええか悪いか解らんと行くんかいな。旧帝国大学出の秀才が雁首揃えて今頃何言ってんだ感がある。
 また合衆国政府に言われるからやらないといけないぽい政権の沖縄問題挽回チックな浮き足だった拙速さも目を覆いたくなる情けなさだ。どうせ合衆国政府相手に負けっぱなし、唯々諾々と全飲みの交渉になる。火を見るより明らかだ。
 思い起こせ。先の対戦は、ABCD包囲網で、食糧と燃料を抑えられた上での暴発であったではないか。今回はそれを上回る黒船来襲だ。自主関税権を捨てるのだ。後戻りできぬ交渉だ。農村出身だからわかる、壊滅する。これを迎え撃つのがずぶの素人交渉なのが悲劇だ。誰か不動産屋、着いていけよ。
 梅毒を伝えられ、不平等条約を締結させられ、ベルサイユで艦船を抑えられ、それでも何とか亜細亜でまとまろと思たら原爆落とされ、国体変えられた。はぁ、それ以降、隣組自治会制度潰され、道徳教育潰され、wgipで洗脳され、小麦買わされ、車買わされ、郵貯をばら蒔かれ、国債を買わされ、自主防衛もさせてもらえず、いいカモにされ続けて、それでもイチイチ口だして来る合衆国政府を本当にみんな大好きなんだなあー(棒読み)と感心する。もともとは小国のための協定だろ、これ。なんで合衆国政府が胴取ってるのよ。
 都道府県議会がほとんど反対してるのに、誰のために交渉に行くと息巻いてるのよ、国。
 第1154回。あの頃手探りで書いてた「不利益」が現実となりつつある。ふて寝する。