第859回 リンゼイアンホーカーさん

江坂現場。朝上がり。

リンゼイアンホーカーさんの死はいたましいが、逃亡を続ける市橋の生活が漏れ伝わってきた。
彼は茨木の土工の飯場に潜伏していたという。
「夜勤も日勤もガンガン入れて下さい」
と働き詰めに働いていたらしい。
だいたい4日昼夜連勤もすると、フラフラになったはずだ。
解る。
住込土工の飯場生活は、流れ流れて落ち着く先か、突然飛び込むなら相当のプライドをかなぐり捨てなければできるものじゃない。成りや外見をかまっていては無理だ。

「毎日昼夜、ガンガン入れて、くれ、か…。大した奴やな」

僕がそういうと妻は、

「アホな!」と吐き捨てた。そして、
「せやけど、あんたも市橋見習って頑張りやー、あんまり変わらんでー」と棒読みされた。

わかってる。今にええ夢見せたる。

ホーカー父のためにも街を歩くときはあの写真を持って歩こう。

焼酎一合、ポッコン。
睡眠。

地上げ屋、らいむさん、税金のことでやん愚さん等に電話数本。資料検討。

業者と難波で。

西宮北踏切現場。
やん愚師の家の近所。